Sister On -Day70

昨日のブログで詳しく説明すると書いたが、昨日配信したポッドキャストの最後の方で、女性同士支えあわなければいけないという話をしたときの出典がこれ。

On Being with Krista Tippetは大好きなポッドキャストのひとつで、人として生きるとはどういうことか、について毎回様々なゲストと語る番組で、毎週聴いているが、グレノン・ドイルとアビ−・ウォンバックがゲストで出ていた回は最近でも特に良かった回のひとつ。

グレノンはMomasteryといういわゆるマミーブログ出身の作家だが、文章の才能がものすごくあり、本もベストセラーになっている。アルコール、ドラッグ中毒から立ち直り離婚の危機を乗り越えるまでを書いたLove Warrior(この本については過去にここに書いているはブロガーの書いた本と馬鹿にすることなどできない程すごく読ませる本だった。彼女の凄いところそして人気の秘密は、文章の才能があるだけでなく、自分にもすごく正直なところ。実はこのLove Warriorのブックツアーの直前に、やりなおすと決めた夫と最終的に離婚することになるが、普通なら体裁や本の宣伝を考えて仲良いフリなどをする人が多いだろうと思う中、自分に嘘はつけない、と正直になったことで私も好印象をもった。その後カミングアウトして世間を驚かせ、さらに数年前にアメリカ代表として金メダルを取りワールドカップでも優勝した女子サッカー選手アビー・ウォンバックと結婚した。英語でGirl Crushというと女が惚れる女といった意味だけど、アビーは本当にカッコよく、まさに私のGirl Crushだ。

今回紹介するエピソードでは二人が仲良くクリスタの質問に答えている。二人の母親としてmixed familyを育てていくこと、アビーの引退などとても興味深い話が聞けるので、ぜひ全編を聴いてみて欲しいが、今日紹介する部分は 37:46あたりから聴ける。 (リンクをエンベッドできないのでこのサイトに行ってWeb Playerで聴いてみて欲しい)引用は以下。

Ms. Tippett: I feel like, coming from really different directions, the two of you use this really kindred language. You talk about that we need to “champion” each other. And Glennon, you use the language of “sistering” each other.

Ms. Doyle: Well, “sistering” is just the best word ever. OK, so …

Ms. Wambach: I love this story.

Ms. Doyle: You know carpentry? It’s just boards and nails, carpentry — Jesus was one.

(laughter)

There’s this thing happens in carpentry where the mainstay of a building is a joist. Every once in a while, the joist starts to weaken because there’s a load put on top of it that’s too heavy. When that happens, they say, “OK, bring some extra boards.” And they put an extra board to the right of the weakening joist, and if that doesn’t make it strong enough, then they bring another board, and they put it to the left of the weakened joist. With an extra board to the right, and an extra board to the left, the joist becomes strong enough to withhold any load. Do you know what that carpentry system is called? Sistering. It’s like the guy carpenters were like, “Oh, we can’t name this ‘brothering.’ That’s too much intimacy there. That looks more like what the ladies would do.”

(laughter)

But it’s just the most beautiful, to me, example of how women support each other — and for life, because sometimes the load on us just gets too heavy to carry by ourselves, and the mistake we make when that happens is we think that we’ve done something wrong. We think we’ve made a mistake; we’ve gone wrong somewhere, because it can’t be this heavy.

But if we never had to ask for help because we couldn’t carry the load anymore, then we would miss out on the best part of life, which is just sistering and being sistered — or champion each other. Go get the ball, score the goal.

全てを訳さないが、グレノンが、大工仕事、大工さんでー、ジーザスもそうだったのよね、というところが可笑しかった。(イエス・キリストは大工だった)梁に重みがかかりすぎて弱ってきた場合、そこに別の板を取り付けて強度を高めることを大工用語でSisteringというそうだ。だから、支えること=シスタリングなのよ!すごくない?というグレノンの興奮した話しぶりが可愛い。また、Brotheringだとちょっと親密すぎるからLadiesに任せようぜってなってシスタリングって名付けたのね、なんて言っているのも笑えた。

だから、女性はみんなシスター・オン、支えあって行こう。私の背負っているものが重くなりすぎて、もう潰されそう、って言う時に支えてくれてありがとう。そしてシスターズ、国際女性デーおめでとう。

Stronger Together – Day 69

これは、さっき収録したポッドキャストでも話したことだけど、あえて書く。今週は、先日のEmiさんのポッドキャストに出演させていただいたおかげでいろいろな素敵な女性からコメントを頂き、とても嬉しかったし、勇気づけられた。私と同じように、男性社会に不満を持っている女性は多くいることがわかったし、多くの女性がこれからは黙らない女でいると言って下さったのは嬉しかった。

素敵な女性たちに知り合えたお礼をEmiさんにしたところ、一言だけ、「We are stronger together」と言われて、思わず膝を打った。団結した方が、より強くなれる。

女性が集まると何かと「女同士の戦い」みたいなことがあると言われるけど、それはある意味、女性たちを一緒にしないための低俗な言い訳のような気もする。その逆で、女同士支え合っていくほうがいろんなことが上手くいくし、親切で聡明な女性を私も実際に沢山知っている。このことについては今度もっと詳しく説明したい。取りあえずは数日後に配信されるポッドキャストを聴いて欲しい。

ファンであることについて – Day 68

Maurice Sendak “A Hole Is To Dig”

最近、大好きなライター/アーティストがいる。数ページ読むごとに、本を胸に抱いてク〜っと一人感動している。そして、自分には絶対にこんな文章は書けないと思う。

誰かに対してこういった思いを抱いたことは過去にもあった。

そういった人達へ思いは消えることはなく、心の隅に静かに残されている。リストは少しづつ長くなっていく。

あるとき、とても好きなアーティストに関してオットに話したことがあるのだが、その時はなんだか恥ずかしかった。なぜなら1)映画「ミザリー」に出てくるような怖いファンと思われたくないから そして2)恋心のようなものと誤解されても困るから。

オットは笑って、「わかるよ、ファンなんでしょう?」と言っていたが、「ファン」という言い方にもなんだか違和感がある。

私としてはその人の作品や人柄、才能が素晴らしいと思っていて、ただその人が大好きなだけなのだ。それってファンとどう違うの、と言われても説明は難しい。私はその人の作品を読んだり見たりして「何て素晴らしい」「あなたが大好き」と思うだけで、あとは成功してくれたら嬉しいし、応援したいと思うだけである。もし私がお金持ちだたら、スポンサーになっているだろうと思う。

本当はその人がどんなに才能があるか、その人の作品が素晴らしいか、長文メッセージを出したくなるところだが、ぐっとこらえる。怪しい人と思われたくないので、遠くから静かに応援するのみだ。

私は俳優、女優さんにも同じように感じることが多い。とにかく、才能のある素晴らしい俳優、女優が大好きなのだが、これって一体どういう仕事につけるのか、つらつらと考えてみたことがある。演技をしたいなら俳優になればいいし、歌が歌いたいなら歌手を目指せばいいと思うが、素晴らしい、才能のある人達が大好きでたまらないという人にはどんな仕事が向いているのだろうか?私は昔からキャスティングディレクターという仕事にも興味があるが、それって簡単に興味があるからなれるものでもない気がする。。。もしどなたか良い案があれば教えて下さい。

黙らない女たち – Day 67

先日、Emiko RasmussenさんのポッドキャストHer Confident Her Wayに出演させていただいた

いつもやっているポッドキャスト「はみだし系ライフの歩き方」とは違って、Emiさんとは半分くらい英語で話している。この回では週間SPA!の女子大ランキング事件を踏まえて、女性が声をあげることの大切さについて語っている。Twitterでは#だまらない女たちというハッシュタグも頻繁に使っている。

もし時間があれば、ぜひ聴いてみて下さい。

時間を止めて – Day 66

よく聞くSFのルールとして、時間を止めたら自分が年をとるというものがある。

今に始まったことではないが、毎日やらなくてはいけないことが多すぎて、かなりあっぷあっぷしている状態だ。。いったん時間を一時停止することができたら、少しは物事が片付くのにと思う。

今これを書いているのは子供と息子をイベントにドロップオフして、買い出しをした後一時的に家に戻ってきた午後1時。これから仕事があり、夜10時以降まで帰れないので今のうちにこの短いブログを書いている。帰宅後は書く気力もないことが分かっているから。

もし時間を止めることができたら、止めますか?例え自分がその分年を取るとしても?

私ならやる。時間を止めて少し息継ぎできるのなら、もうすでに年を取っているので、これ以上年をとっても気にならない。それにその分オットとの年の差が縮まるから。。。

自分だけを信じて – Day 65

今日はもう遅いし眠いのでこのネタだけで。

レディー・ガガの大学の友達が「ステファニ、あなたは絶対に有名にはならない」という名前のFacebookグループを作っていたという話。

もちろん人生出会う人みんなと親友になるわけじゃないし、気の合わない人もいるだろう。でも名指しで、ここまであからさまないじめってどうよ?メンバーは12人しかいなかったそうだけど、それでもわざわざそんなグループ作る?みたいな。こんなグループを作ることの意味が全く理解できない。

昨日のブログにも書いたけど、嫉妬で他人の幸せを喜べないという感覚は私にもわかる。でもこのレベルの悪意というのは私には理解できない。幸いなことにレディー・ガガはこのグループの人達のいうことを信じず、自分だけを信じてがんばったようだ。そして彼女はオスカーを獲得した。それだけじゃなく、彼女はグラミーもゴールデングローブも英国アカデミー賞も獲得した最初の女性になった。彼女は私も含め,多くの人のインスピレーションだなと思う。

人の幸せを喜べるか – Day 64

今日は他人の成功を喜ぶことについて書いてみようと思った。嫉妬というのとは少し違う。私はもともと嫉妬深いタイプではないが、若いころ、この世で一番嫌な感情は、という質問で、嫉妬心と答えた記憶がある。40過ぎた今ではそれはもう私の中の真実ではないので、若い頃なぜそう思っていたのか、思い出せない。その根拠はなんなのか、若い頃の自分に聞いてみたい気がする。

それでは今同じ質問をされたら、最も嫌な感情は、今ならviolatedというだろう。訳が難しいことばだけど、犯される、侵害されるといった意味になる。

数年前、車のドアを開けて運転席に座ったら、シートの上に車のダッシュボードにある小銭入れ用のちいさな引き出し(のようなもの)が置いてあって、びっくりしたことがある。どうやら、車の鍵を閉め忘れていたらしく、誰かが車の中の小銭を盗んでいき、引き出し部分が取れてしまったのをシートの上に置きっ放しにされていたのだ。

車の鍵が開いていたのは不幸中の幸いで、窓も割られたりしていなかったし、貴重品も置いてなかったので取られたのは小銭だけだったが、あのsense of violationというのはなかなか忘れ去ることができない。

もちろん、知り合いの中には実際に泥棒や強盗の被害に会った人もいるし、さらに酷い、身体的被害を被った人もいる。一生心に残る傷だと思う。

嫉妬心や人をうらやましいと思うことに話を戻すと、私は普段は他人の成功を喜べるタイプだと思うけど、もしそれが自分が本当に欲しくてたまらないものだったらどうだろう。例えば、自分が歌手になりたかったとして、誰かが弁護士になれたことは心から喜べるかもしれないが、誰かがレコード会社と契約したら、同じくらい喜べるのかは疑問だと思う。

自分でも、他人の成功や幸せには素直に喜べる人でいたいと思っているけど、ひたすら努力のしづめで結果がでない時、他人の為にだけ何かをしている気がしているとき、周りの人に棚ぼた的なラッキーなことが起こった時には、なかなか素直に喜べる余裕がない気がする。easy come easy goという言葉があるので、あまり真剣に取らないようにはしているけれど。

真実を語る人 -Day 63

Photo credit: CHRIS WATTIE/REUTERS

今日はアメリカでもカナダでも重要な政治的公聴会があった日だったが、私はカナダでの事件にのみ触れることとする。

ジュディ・ウィルソン・レイボールド氏はもと弁護士で、カナダ初の先住民の政治家である。2015年から法務相そして復員軍人相として勤めてきたが今年に入り急に辞任。

辞任の理由に関しては固く口を閉ざしていた彼女が、今日証言をした。数ヶ月に渡り、内閣府、枢密院事務局、財務府などからカナダ最大の建設会社SNCラバランの賄収疑惑に関して、裁判に持って行かないよう圧力をかけられていたというものである。

ウィルソンレイボールド氏の(イニシャルを略してJWRと呼ばれることが多い)今日の証言による、ジャスティン・トゥルードー首相との個人ミーティングでの証言は以下。

I was quite taken aback. My response – and I remember this vividly – was to ask the PM a direct question while looking him in the eye – I asked: “Are you politically interfering with my role / my decision as the AG? I would strongly advise against it.” The Prime Minister said “No, No, No – we just need to find a solution.”

「私はとてもびっくりしました。私の返答は−鮮明に覚えているのですが – 首相の目をまっすぐに見ながら直接質問することでした、「私の法務長官としての役目、そして私の決断に政治的に介入されるつもりでしょうか?そうなさらないことを強く願いますが。」すると首相は「No, No, No – ただ解決法を見つけなければいけないだけだ。」と言いました。

自分が全く何も悪いことをしておらず、正しいことをしたとしても、大勢の人の前で真実を語るのは、時に恐ろしいことだと思う。

彼女は法務長官として正しいことをしたと思う。彼女の証言の最後の方で

「私は自分にとって大切な価値観や主義に正直であれ、誠実に行動しろと教えられ育ちました。これらは私の両親、祖父母そして私のコミュニティから学んだことです。」そして、「私は真実を語る者です。」と言っていたのも印象的だった。

自分の考えを正直に述べる事は時に怖い。しかしそれでも証言したJWRの勇気、彼女の落ち着いた態度に拍手したい。

万引き家族 – Day 62

ようやく、是枝裕和監督の「万引き家族」をみることができた。カナダに住んでいると日本の映画に飢えているのだが、ようやくビクトリアにもやってきた。是枝監督の映画は「そして父になる」「海街Dairy」「海よりもまだ深く」と続けて見てきているので、今回の「万引き家族」も心待ちにしていた。リリー・フランキーと樹木希林も大好きなので、最初の回に早々と行ってきた。

ストーリーは日本ではすでに多くの方がご覧になっただろうと思うので必要ないかもしれないが、タイトル通り、万引きをして生活する家族の話だ。私が是枝監督の作品が好きな理由は、彼の映画はおもしろおかしく、時に哀しいから。そして世間の端っこに生きている人達を描いた作品が多いから。

シネマトグラフィーも秀逸で、女の子のつまさきがぶら下がっている様子、そして見えない花火のシーンなどは特に印象に残り、いったいどうやったらこんな画を撮ることを思いつくんだろうと感心してしまった。

「万引き家族」はHodge Podge(ごたまぜ)の家族だけどつつましく、幸せに街の片隅で生きていた家族だったが、何事かが起こる。もちろん起こる。

この作品はカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したことで話題になったが、やはり他の作品に比べて、人の心に訴えるものが大きかったのは、この作品でカバーされたトピックが私達は最近ニュースでよく見る問題だからだろう、独居老人、孤独死,児童虐待、貧困。。。胸が痛むと同時に、ひっぱたいてやろうかと思うくらい頭にくるシーンもあった。

TVやニュースサイトで読む事件の真相を私達は本当に知っているのか?血の繋がった家族だけは本当の家族なのか?

深く、衝撃的な話で、いろいろと考えさせられる作品だった。

ビクトリアではCinecentaにて明日、明後日と上映しているのでぜひ観に行ってみて欲しい。

バンクーバー朝日 – Day 61

カナダに住んでいる人なら、誰もが見たことがある、Heritage Minutesという60秒の番組がある。コマーシャルの時間に流れ、カナダの歴史を説明したものだ。

最新のHeritage Minutesは、バンクーバーの朝日野球チームについて。

バンクーバー朝日は1914年から1941年まで、バンクーバーで活動していた、主に日系カナダ移民の二世を中心とした野球チームだ。当時は、働きものの日本人がカナダ人の仕事を奪っているとして、反日感情も高まってきていたが、朝日チームはかなり強かったらしく、1919年にはマイナーリーグで優勝もしている。日本でも2014年に「バンクーバーの朝日」という映画になっている。

その後1941年に真珠湾攻撃のあと、日本人そして日系カナダ人は強制的に敵国の外国人とされ、収容所に送られた。これらの日系カナダ人の多くはカナダで生まれ、日本に行ったこともなく、英語しか話せなかったのに。

Heritage Minutesの冒頭も”We were born in Canada. We spoke English.” というところでハッとさせられる。

日本で生まれ育ち、カナダに移民としてやってくるまでは(そういう意味では私も『一世』である)、戦時中の日系カナダ人の強制収容(英語ではInternentと言う)のことなど全く知らなかった。学校で学んだ記憶もない。

しかし、カナダに来て20年経ち、強制収容のことを知れば知るほど、2万2千人の日系カナダ人たちがいかに大変な思いをしてきたのかと、胸が詰まる思いだ。今これを読んでいる人で、Internentのことを知らない人がいたら、ぜひ様々な資料があるので、手に取ってみて欲しい。バンクーバーには日系博物館があるし、オタワのCanadian Museum of History、またウィニペグのCanadian Museum of Human Rightsにも日系人の収容に関する展示がある。

今私や私の下の若い世代の日本人がカナダに自由に移民できているのは、戦時中の日系カナダ人の方たちの苦労の賜物だと思わずにはいられない。