ようやく、是枝裕和監督の「万引き家族」をみることができた。カナダに住んでいると日本の映画に飢えているのだが、ようやくビクトリアにもやってきた。是枝監督の映画は「そして父になる」「海街Dairy」「海よりもまだ深く」と続けて見てきているので、今回の「万引き家族」も心待ちにしていた。リリー・フランキーと樹木希林も大好きなので、最初の回に早々と行ってきた。
ストーリーは日本ではすでに多くの方がご覧になっただろうと思うので必要ないかもしれないが、タイトル通り、万引きをして生活する家族の話だ。私が是枝監督の作品が好きな理由は、彼の映画はおもしろおかしく、時に哀しいから。そして世間の端っこに生きている人達を描いた作品が多いから。
シネマトグラフィーも秀逸で、女の子のつまさきがぶら下がっている様子、そして見えない花火のシーンなどは特に印象に残り、いったいどうやったらこんな画を撮ることを思いつくんだろうと感心してしまった。
「万引き家族」はHodge Podge(ごたまぜ)の家族だけどつつましく、幸せに街の片隅で生きていた家族だったが、何事かが起こる。もちろん起こる。
この作品はカンヌ映画祭でパルム・ドールを受賞したことで話題になったが、やはり他の作品に比べて、人の心に訴えるものが大きかったのは、この作品でカバーされたトピックが私達は最近ニュースでよく見る問題だからだろう、独居老人、孤独死,児童虐待、貧困。。。胸が痛むと同時に、ひっぱたいてやろうかと思うくらい頭にくるシーンもあった。
TVやニュースサイトで読む事件の真相を私達は本当に知っているのか?血の繋がった家族だけは本当の家族なのか?
深く、衝撃的な話で、いろいろと考えさせられる作品だった。
ビクトリアではCinecentaにて明日、明後日と上映しているのでぜひ観に行ってみて欲しい。