ブレネー・ブラウンに学ぶ「ありのまま」の自分と弱さを認めること

先日、ラジオパーソナリティの宮本絢子さんとInstagram Liveでブレネー・ブラウンについてお話しました。この会話は今日ポッドキャストで配信しましたのでぜひ聞いてみてください。とても濃い内容でしたので、出てきたトピックを一部ここでもご紹介します。

宮本絢子さんとのインスタライブ

ブレネー・ブラウンについては2013年からずっとブログに書き続けていますが、いまだに日本で認知度がいまひとつ上がっておらず残念です。ブレネーはテキサス州ヒューストン在住の研究者で、Shame(恥)とVulnerability(ヴァルネラビリティ:弱さ・もろさ)について研究している人です。今年こそは彼女の教えが日本でも広まってほしいなと思っています。彼女は最近Unlocking Usというポッドキャストも開始し、毎回様々なゲストを読んで、とても勉強になる話をしてくれています。

絢子さんとのポッドキャスト内で話していますが、10年ほど前、最初に離婚の話が出たとき、私が真っ先に考えたことは「みんなに何と言おう」ということでした。今はもうそんな考えはありませんが、当時の私には「人からどう思われるか」ということが一番重要なことでした。特に、日本ではまだまだ離婚に関するスティグマ(汚名)が強く、恥と思う人までいると思います。離婚してしまったら、母として、女として失敗だとさえ当時の私は思っていました。

その後ブレネーのことを知り、彼女の本を読み続けるうちに、弱い自分、不完全な自分、ありのままの自分を他人に見せることの怖さが、少しずつ薄れていきました。もちろん、これは「当時と比較して」怖くなくなってきたというだけで、今全く怖くないかといわれると答えはノーです。何かをやりたいと手を挙げるとき、やりたいことをやって失敗したとき、知らない人ばかりの集まりに入っていくとき、子育てを完璧にこなしている(ように見える)ママ友と話すとき、私は今でもVulnerableに(もろく)感じるし、怖いと感じます。でも、幸い、ブレネーの本を読んで学んできたおかげで、今では「怖い。それでも私はアリーナに入っていく」と思えるようになりました。

ありのままを自分をさらけだす

絢子さんとのトークで出てきたトピックの一つが、不完全な自分をさらけだすこと。今、コロナ自粛で、ずっと家族と家で過ごしている人も多いことでしょう。そして、一緒に過ごす時間が長くなるにつれ、さまざまな摩擦も起こってくると思います。我が家もそうです。もしかしたらあなたは将来が不安で仕方がないかもしれない。それとも自由が制限される自粛生活にストレスを感じているかもしれない。家事を全く手伝わない同居人に怒りを感じているかもしれない。それを、家族もしくは一緒に住んでいる人から隠さずに、泣いたり、怒ったり、失敗したりするありのままの自分を家族や子供たちに見せることによって、彼らもまた、それが普通と思ってくれるのではないでしょうか。完璧な母親、完璧な妻なんていません。不完全な親・不完全な配偶者・不完全な人間であることを家族、特に子供たちに見てもらうことの大切さについてお話しました。

他人を批判したくなるとき

私は常日頃、「日本は外野がうるさすぎる」と言っています。SNSを見ると、子育ての仕方から容姿・メイクの仕方・ライフスタイルにまで他人のことに口出しする人が多いと感じます。他人を批判したくなるとき、それが何を意味するのか?についても少し話しています。

私は子供のころ、親によく「よそはよそ、うちはうち」と言われて育ちましたが、人生でも「私は私」と思うと、だいぶ楽になります。45歳になった今では私は他人の自分に対する評価・意見にほとんど興味がありません。

恨みよりも不快を選ぼう

これから様々な形で、働き方が変わってくると思います。フリーランスとしての働き方やバウンダリーなどについてもお話しました。断れずに頼まれたことはなんでも引き受けていた頃、ブレネーに相談を聞いてもらえたことがありました。彼女の答えは「Choose Discomfort Over Resentment(恨みよりも不快を選ぼう)」断れずに引き受けてあとでその人を恨むよりは、最初にちょっと不快に思えてもはっきり断ることが大事だと学びました。

Boys can cry

もうひとつ、ブレネーから学んだことでよく覚えていることのひとつが、世間の男女に向けられた暗黙のメッセージ。女性に対しての世間からの恥のメッセージは「完璧な母であれ」「美しく、細くあれ」など。でも男性に対する恥のメッセージは「弱いと思われるな」の一言に尽きます。

ポッドキャストの第10回後半でも塚越悦子さんをゲストにお招きした際にBoys don’t cryについてお話しました。世間の、特に日本の男性は、常に強く、経済力があり、仕事ができて、女子供を守り、そして「泣かない」ということが求められています。これはこの数百年続いてきた価値観だと思いますが、本当にこれはこのまま子供たちに教え続けていい価値観なのでしょうか。Toxic Masculinityトキシック・マスキュリニティ「有害な男性性」についてはこちらに書いていますが、そういった有害な価値観を減らしていくには、男の子が泣いたっていい、男の子がピンクを着ても、人形で遊んでも、ままごとしてもいい、と教えてあげたいと思います。幸い私の夫は非常にEQが高い人で、二人の息子にも常に「男が泣いたってかまわない」と教えていますし、彼自身私たちの前で涙を流すことだってよくあります。

Belonging

最後に絢子さんとお話したのは、Belonging(帰属性)について。人はみな何かに属していると感じることで、つながりを感じます。家族、コミュニティ、宗教などその帰属先は様々かもしれませんが、最も重要な帰属先は、自分自身です。ありのままの自分を「私はこれで良い」と自己肯定でき、他人の意見よりも自分の意見が最も大切と信じることができれば、先の見えない世の中でも、外野にまどわされず、心からの生き方ができるのでは、と私は信じています。そしてそれを教えてくれたブレネーに、心から感謝しています。

今回ポッドキャストにご協力いただいた宮本絢子さんにもお礼申し上げます。もしリクエストがあれば、絢子さんと語るブレネー・ブラウントーク、これからも続けていきたいなと思っています。ブレネー・ブラウンに興味が出てきた方は、こちらのページで彼女に関するブログポストを読むことができます。

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