夢を公言して、スーパーヒーローになろう! #WDS2014(2)

Hot air balloon #WDS2014

WDS2014レポートのパート2です。ート1はこちらをどうぞ

Michael Hyatt

Photo Credit: Armosa Studios
Photo Credit: Armosa Studios

いかにも成功しているビジネスマンといった雰囲気のMichael。ビジネスの話をるのかな?と思っていたら、子供の頃のお父さんとの思い出から、彼の話ははじまりました。

いつも自分のことを大事にしてくれた、最高のお父さん。。残念ながらその後、彼の人生はアルコール中毒という辛い道をたどります。

ティーンエージャーの頃、パーティから遅く帰宅したある夜、泥酔したお父さんが家の外の歩道に寝ているのを見て、「絶対に彼のようにはならない」と誓った、というくだりは胸にぐっとくるものがありました。

Michaelは彼の父親のそんな人生をDrifting Life、流されていく人生だと説明します。目標もなく、そのときの状況にただ流されていく人生。

それと反対なのが、Driven Life、突き進む人生とでも訳せるでしょうか。仕事やお金、成功だけを目標とした人生で、一部の人の基準では成功している人生なのかもしれませんが、意味のあるつながりや、やりがいを見つけられず、ほとんどの場合ストレスとむなしさでいっぱいになってしまう人が多いようです。

それとは別にMichaelが薦めるのが、Designed Life、自分でデザインしていく人生です。それではどのようにして人生をデザインしていくのか。

Michaelは自分自身に問いかけるべき3つの質問を教えてくれました。

1.自分は他人の記憶にどういう人として残りたいか?

2.自分にとって大切なものは何か?

3.今日できる勇気ある決断は何か?

私はこの答えをWDSのノートにしっかりと書き留めました。あなたの答えはなんでしょう?

もうひとつ、最後の方で彼が言ったことで印象に残った言葉があります。

 “How are you doing with what you’re given?”

人生とは必ずしも公平ではありません。恵まれた環境に生まれた人も居れば、そうでない人もいる。彼は、それでも自分が与えられたものを最大限利用して生きるべきだと説いていました。

Dee Williams

#WDS2013 Dee Williams

DeeはPortland Alterantive Dwellings (PAD)の共同創立者です。オルタナティブな住いってどんなものでしょう?それ84スクエアフィート(約5畳)の広さの家(!)です。ベッドも、キッチンもすべて込みの5畳一間のお宅で、DeeはこれをTiny House と呼んでいます。

子供の頃は農園で育ち自然に囲まれて暮らしていたというDee。兄弟とスーパーヒーローごっこをしてよく遊んだと言います。でも、大人になるとみんな、自分たちがスーパーヒーローであることを忘れてしまいますよね。そこでDeeはデルタ航空の赤いブランケットをマント代わりにして、スーパーヒーローのポーズを教えてくれましたw

体調を崩したことをきっかけに、自然に囲まれてシンプルな生活をしたい、と望むようになったDee。彼女の家は冬は寒いけれど、雨が降ると雨音が屋根を通して伝わってくる、素朴な家なのだそうです。

友人の家の庭にTiny House を置かせてもらっていたそうなのですが、その友人が亡くなってしまっていらい、しばらく何もする気が起きなかったという彼女。でも、

Simply showing up is a superpower

辛いときに、ただ姿を現すだけでもそれは十分にスーパーパワーなのよ。

本当にそうですよね。ただ一歩づつ足を前に進めていくだけでもそれは十分に意義のあることなのだと教えてくれました。

もうひとつ彼女が言った言葉で心に残ったこと。それは、

I’m a superhero. I need to pay attention” 

私はスーパーヒーローなの。ちゃんと気を配らないと。

上のMichaelの話にも似てきますが、毎日をただダラダラを過ごしていては、とてもスーパーヒーローとは言えませんよね。自分はスーパーヒーローなんだ!と自覚を持って生きよう、と決心した私でした。

Elise Blaha Cripe

Photo credit: Armosa Studios
Photo credit: Armosa Studios

Eliseはクラフトプロジェクトを紹介したり、実際にそのクラフト作品を売ったりするサイトを運営しています。ものを作るのが大好きというElise。でも人に、「お仕事はなんですか?」と聞かれるたびに、なんと答えればいいのか戸惑っていたといいます。このWhat do you do? という質問は、北米では初対面の人との挨拶の次にまず聞かれる質問です。(ちなみに、私もこの質問をされて困ることが多々あります)そのうち、I make stuff.という簡潔にして要を得た一文で済ませるようになったそうですがw

常に何か新しいものを常に作り続けて行くというのは、本当に大変なことだと思います。Eliseも、様々なプロジェクトを開始したものの、時には途中でインスピレーションがなくなってやめてしまったこともある、と言っていました。「途中でプロジェクトを中止するのは、必ずしも悪いことじゃないのよ」

また、失敗を恐れずチャレンジし続けることの大切さにも触れていました。パート1でご紹介したグリーンスムージーのJadahの言っていたことと重なりますが、不完全なままでもチャレンジしなさいと。Eliseは自分の娘が歩き始めるのを見ていて思ったそうです。どんな赤ちゃんも、「転んだら怖いから歩くの完璧になってから歩こう」なんて思わないですよね。バランスを崩して尻餅をつきながらも、とにかく歩き出す。なんて勇気づけられるお話でしょう!

Eliseのスピーチの前に、会場の全員に” I ________. “ とかかれたステッカーが配られました。Eliseも、自分の夢を公言することがとても大事だと言っていました。ポッドキャストを始めたかったけれど、どうすれば良いかわからなかった時も、「ポッドキャスト始めたい!」と公言したら、サイトの読者が、ポッドキャストの入門コースのことを教えてくれたそうです。そこで、彼女は、会場にいる私たちに、ステッカーの空白を是非、自分のやりたいことで埋めて欲しい、と言っていました。

私の夢は、本を出版して、世界中を旅しながら沢山の人達をインスパイアすること。さっそくインスタグラムで証拠写真を撮ってEliseにも送りましたよ。

他にも沢山の素晴らしいスピーカーが居たのですが、ご紹介するのはここまでです。もうすぐ、WDSのサイトにビデオがアップされる予定ですので、是非チェックしてみてください。


そしてイベントのあとはアフターパーティ。なんだか、こっちの方を楽しみにしている人も少なくないようですが、今年のアフターパーティはバスで少し離れたフィールドに移動して、なんとそこでは熱気球が待っていました!私は堀さんと一緒に乗ったのですが、ここに短いビデオがあります。

tinyhouse #WDS2014

フードトラックとバー、熱気球、展示されていたDeeのTiny House、そしてタロットリーダー(これは私は体験し損ねて残念!)そしてもちろんバンドも来ていたアフターパーティですが、私が一番楽しみにしていたのは毎年WDSのパーティで大活躍のDJ PrashantというボリウッドのDJ。ダンス上手くない人でも楽しめること間違いなし!超楽しいです。

WDS2014
Photo Credit: Armosa Studios

今年は郊外でのパーティだったこともあり、パーティの途中でインドの色粉が登場。チョークを砕いたような様々な色の粉を、3,2,1のカウントダウンで空に投げると、無数の虹色の煙が!そしてそのあとその粉を近くに居る人達の顔に塗ります!色まみれになりましたが、あ〜楽しかった!こちら証拠写真。

teamjapan

新しい友達もできて、去年よりさらにパワーアップしてたWDS、来年も絶対に行きます。WDSに興味のある方は、是非こちらのFacebookグループにご参加下さいね。ポートランドでお会いしましょう!

どうやって、素晴らしい人生を生きる? #WDS2014 (1)

 

wds 世界征服サミット(World Domination Summit、以下WDS)に参加するため訪れた2度目のポートランドでしたが、真夏日並の気温で、すっかりカナダ人化している私は33℃でも大変でした。 Lifehacking.jpの堀さんサンディエゴの悦子さんという二人のWDS 同志に再会できたのも嬉しかったですが、今年は日本から数名初参加者もいて、WDSチーム・ジャパンがどんどん増え続けているのも頼もしいです。

私は金曜日に到着したのですが、その日はレジストレーションのあと、Body of Workという本を出版したPamela Slimのミートアップがあったので早速参加してきました。彼女のこのBody of Workという本は、自分の人生の中の様々な側面を結びつけている糸になるものをみつけて、それを単なる仕事ではなく、自分にとって大切なやりがいのある勤めとしよう、という本です。日本語版も是非早く出してほしいところです。

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今年初参加の美香さんと。撮影:堀(@mehori)さん

彼女には去年のWDSで悦子さんを通して知り合ったのですが、その後この本を読んで非常に感銘を受けた私は、本を持って行ってサインしてもらいました。

WDS2014 Audience

翌日から早速WDS開始!早くから並んで最前列を取りました。まずは主催者のクリス・ギレボーがでてきて簡単な挨拶をしましたが、ここでWDSがどんなイベントなのか、うまく表現されていた1フレーズがあるのでご紹介します。

How do you live a remarkable life in a conventional world?

型にはまった世界のなかで、どうやって素晴らしい人生を生きる?

「今までずっとこうしてきたから」「こういった仕事につくように、期待されているから」など、人は大人になるにつれて周りの期待や世間の慣習に従って生きていくようになります。周りがみんなそうしていると、それが普通に思えてくるのも怖い。

クリスは彼の最初の本のタイトルどおり、「常識にとらわれない生き方」を提唱するリーダーでもあります。彼の目標は世界中のすべての国を訪問するというもので、ありがちな「良い会社に勤めて、子供を育てて」という常識にとらわれず、ずっとオンラインで仕事をし、本を執筆したり、サイトを運営したりして生計を立てています。 WDSはこのような常識にとらわれない生き方を求める人達の集まりです。

またこのイベントには3つの価値観に注目しています。

Community (コミュニティ)

Adventure(冒険)

Service(奉仕)

WDSのスピーカーは、この3つの価値観に基づいた経験を話してくれることが多いです。

スピーカー全員の話を書き出すとスペースが足りなくなるので、特に印象に残った人の話を書いていきます。興味がある人は後日WDSのサイトに動画がアップされる予定ですのでチェックしてみて下さい。

A.J. Jacobs

Credit: Armosa Studios
Credit: Armosa Studios

日本では彼の「聖書男」というタイトルの訳書がけっこう売れたらしいのですが、私はほとんど知らない人でした。でも話は面白いし(『僕は一応ユダヤ人だけど、僕がユダヤ人っていうのは「オリーブ・ガーデン(チェーンのイタリアンレストラン)がイタリアン、っていうのを同じレベル』)、この本のテーマである、特に信心深くもない彼が、聖書に書かれているすべての教えを忠実に守ったらどうなるか?を実行した結果、周りのものや人への感謝の気持ちが高まった、というのはなるほどな、と納得させられるものでした。私も基本的には無宗教ですが、日々大切に生きて、感謝の気持ちを忘れないようにしようと常に心がけているので、そうだよなあ、と妙に感心。(後日談になりますが、彼の「聖書男」の原書「The Year of Living Biblically」を買ってきて今読んでいるのですが、読んでいて吹き出してしまうほど面白く、楽しませてもらっています。)

また、興味深かったのが、「自分は良い人になる」と考えるよりも、すこしづつ良いことをやるようにすると、次第に良い人になっていくというお話で、「形から入る」ことは普段あまり賞賛されないことですが、彼は、それは必ずしも悪いことではないよ、と言っていました。

Global Family Reunion #WDS2014

彼の現在のプロジェクトは、数ヶ月前に12番目のいとこと称する人からメールをもらったことがきっかけで始まった、グローバル・ファミリー・リユニオン。最近は家系図サイトを使って世界中の人達とコラボしながら自分のルーツをたどることができますが 、彼はこれで、世界のほとんどの人達はどこかでつながっているのだ、と説明します。ダニエル・ラドクリフや、ブッシュ元大統領などともいとことしてつながっていることがわかった彼は、有名人を訪ね歩いてもいるそうで、来年の6月にNYで行われる家族会(世界中の誰もが招待されているそう)は、アルツハイマーのファンドレイザーのイベントとして企画しているそうです。私も行きたい!

Jadah Sellner

Jadah Sellner #WDS2014

JadahはSimpleGreenSmoothie.comというグリーンスムージー愛好者のためのコミュニティサイトを運営しています。冒頭は彼女自身が10年前に書いたという詩の朗読からはじまります。お金もなく、上手くいかない恋愛を繰り返していたという過去の正直な告白からはじまりますが、スムージーのレシピを載せたインスタグラムを始めたことで、爆発的に人気がでたそうです。彼女は、成功する前はトニー・ロビンスが「Dream Big」と言っていても、どれだけ大きな目標を設定すればいいのか、見当もつかなかったと言っていました。たしかに、あまり大きな目標だと、逆にかないっこない馬鹿げたもののように思えて来ますよね。でも彼女はあえて「Say your dreams out loud」、夢を声に出して人に伝えることが大事といいます。夢を人に伝えることで、いろんな人達がちいさな助けの手をさしのべてくれるんですね。

Take Imperfect Action

二つ目のポイントは「Take imperfect action」、不完全でもとにかく行動を起こすこと。大きな目標があっても、ついつい細かいことにとらわれてしまって行動を起こさないままになっていませんか?ビジネスを始めたいけど、ウェブサイトができていない、など完璧主義者の自分が邪魔をして前に進めなくなっていませんか。結局それは夢に向かって進まないための言い訳になってしまっているんですね。そして行動を起こさないと何も始まらない。かくいう私も、本を書きたいとずっと思っていたのですが、「企画書がないから」を言い訳に、いつまでもぐずぐずしていたことをJadahのスピーチのおかげで気づくことができました。これを機会に、とにかく書き出す!ことから始めたいと思います。去年のWDSで、プロブロガーの Darren Rowseさんも「1日に一つで良いから自分の夢に向かって何かをやりなさい」と言っていたことを思い出しました。1日数行でも良いから、書くことにしました。

そして最後のポイントはLet Go。手放すべきものは潔く手放す。これは本当に難しいですよね。彼女も、グリーンスムージーの前には託児所のビジネスなどもやっていたそうですが、潔くあきらめて、次に進んだからこそ、今の成功があるのだと言っていました。

こちらも余談ですが私も彼女のサイトをチェックして以来、毎日グリーンスムージーを飲むようになりました。上のAJさんの話ではないですが、健康的な生活を送る!と意気込むよりも、とりあえず1日一杯はグリーンスムージーを飲む、と決めたら自然と健康的な生活になっていくのが面白いところです。

Shannon Galpin

Credit: Armosa Studios
Credit: Armosa Studios

ブロンドでモデルのように美しいShannonは、2013年度ナショナル・ジオグラフィックのAdventurer of the yearで、初めてアフガニスタンでマウンテンバイクに乗った女性として知られています。女性への抑圧が高いアフガニスタンでは、女性が自転車に乗ることは禁じられているのだそうです。

彼女自身、レイプの被害者であるという辛い過去を持つ女性ですが、今ではその経験をもとに、女性の自由を取り戻すための活動家として様々なプロジェクトに取り組んでいます。アフガニスタンの刑務所には、沢山の女性が収容されていますが、その理由のほとんどが、家族が取り決めた結婚相手から逃げ出してきたり、反発するような言動をしたからだとか。日本や北米の私たちからすると、ちょっと考えられない状況です。ある日そのような刑務所を訪ねたShannonは、そこの女性達がみんなそれぞれ沢山のストーリーを持っていることに驚きます。沢山の女性が彼女のところにやってきて、伝えたいと感じていることが山ほどあったというのです。

apathy #WDS2014

ShannonのトークのテーマはApathy、無関心さといかに戦うか、というものでした。女性に対する抑圧や暴力なんて、遠い国のアフガニスタンで起こっていることで、全く私たちとは関係ないことのように思えてきますよね。Shannonは日々その無関心さと戦っています。どうすれば人々の目をこの問題に向けさせることができるのか。そこで彼女が始めたのはストリートアートのプロジェクトです。

Banksy (バンクシー)は、世界でも最も名な匿名()のストリートアーティストとして知られていますが、私も彼の大ファンです。Shannonはバンクシーからヒントを得て、アフガニスタンでストリートアートを展示し始めます。社会問題がアートとして目の前に出てくると、誰もそれを無視することはできない、と彼女は考えたのです。

彼女の残した「Women’s Rights is not Women’s Issue」女性の権利は女性だけの問題ではない、という一言がとても印象に残りました。だって、誰にでもお母さんや娘、姉妹がいるんですものね。

(WDSレポート、パート2につづきます。)