日本の男性に関するアンケート結果発表

Photo by Dan Asaki on Unsplash

年末にご協力をお願いしていた「日本人男性に対するアンケート」のまとめをここに載せたいと思います。

ブレネー・ブラウンの本を読み、ヴァルネラビリティ(もろさ)をさらけ出すことの重要性を学んでいく中で、自己開示に関してある程度の抵抗はあるにしろ、女性の方が心の内や悩みを話しやすい・また話す場所が比較的多いのではと思っていました。そして男性にはそんな場所・機会があるのか、ずっと気になっていました。ブレネーの本でも、男性に心を開いて欲しいと望む女性が多いなかで、実はもろさを訴える男性に一番厳しいのは女性なのだという説明もあり、初めて読んだ時、はっとしました。私自身、以前はそういう女性だったからです。

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トキシック・マスキュリニティ(有害な男性性)とリスク – Day 20

剃刀のジレットのToxic Masculinityに関するCMが物議を醸しています。Toxic Masculinityとは有害な男性性のことで、競争主義、暴力主義そして男尊女卑の考えなどがその主たるもので、最近では#metooムーブメントのおかげで、Toxic Masculinityに女性も声をあげるようになってきました。

ジレットのコピーはこれまで長いことThe Best a Man Can Get「男にとっての最高のもの」といった意味で、業界トップの剃刀ブランドでしたが、今回の新しいCMではThe Best A Man Can Beなり得る最高の男」といった意味のコピーで、これまで「普通」とされてきた男性性ー女性に道端で声をかける(キャットコール)、ケンカをする、弱い者いじめをする、女性に手を出したり、もしくは女性をネタにした下品なジョークを言う、、、などのToxic Masculinityは果たしてベストの男のありかたなのか?を自問しています。

CMの後半では、今までずっと使われてきた言い訳「Boys will be boys」などが、ようやく最近になって変わってきたことを示し、ドラマ等で人気の俳優テリー・クルーズ(私も彼は大好き)が「我々は、男性(がやったこと)の責任を追求しなければだめだ」と言っているクリップや、キャットコールをする友達を止める男性、ケンカする子供を止める父親、娘に「私は強い」と教えている父親など、ポジティブな男性性を示しているシーンを見せ、これが「我々がなり得るベストな男の姿なのだ」としめています。CMの最後には、そういった「ベストな男の姿」をみる小さな男の子達の姿。そう、彼らが今の男性達を見て学び、大人になっていくのだから。

私は素直に感動しました。

もちろんこれが結局はCMで、感動させる為に作ったものだというのもわかります。ジレットの親会社のP&Gはオリンピックのたびに、オリンピアンの選手を支えてきた世界中の母親達をテーマにしたCMを作り私も毎回泣かされています。

CMって、そういうものでしょう。

でも今回このCMが配信されて、意見は真っ二つにわかれました。「ただでさえ男の立場が危ういのに、こんなCMを作るとは何事か。2度とジレットの商品は買わない」とボイコットを表明する男性陣が続出しました。

ジレットは大企業なのでこのCMの企画の時点で充分このような反応も予想していたでしょう。顧客の半分をこのCMのおかげで失うリスクがあったとしても、それでも決行したジレットによくやった、と言いたい。

ブレネー・ブラウンのRising Strong立て直す力)の中に

Integrity is choosing is courage over comfort, choosing what is right over what is fun, fast and easy. という文章があり、私も大好きな部分です。誠実さとは、快適さよりも勇気を選ぶこと。楽しくて、早くて簡単なことより、正しいことを選ぶことだ、という意味です。

今回ジレットは、顧客を失うとわかっていても、あえて正しいことーtoxicでない、最高の男でいようーと声を挙げたのです。私はできるだけリスクを取る側でいたいと思います。いつまでも守りではやっていけないから。リスクを取る勇気のある人を応援したい。

Toxic Masculinityでもうひとつ。今日ちょうど聞き終わったポッドキャストのシリーズが、元アメリカNFLプレーヤーで殺人事件を犯し最終的に逮捕されたものの自殺してしまっアーロン・ハーナンデスを題材にしたGladiatorというポッドキャストでした。

近年、フットボール選手が暴力事件を起こすことが問題になっていますが、このポッドキャストでは、ハーナンデスがいかにToxic Masculinityに脅され、常に一番タフな男でいないといけないと強迫感にとらわれていたこと、そして度重なる頭部への打撃による脳への障害について語っています。アメリカではフットボールはともすると宗教ともいえるほど人気のあるスポーツですが、スター選手としての地位と名声とお金と引き替えに、脳に障害を受けるのは、私にはあまりにもリスキーな気がします。上で私は常にリスクを取る側にいたいと書きましたが、健康をリスクにするのはやりすぎだと思うのですが、そう思ってしまう私は偽善者なのかしら?