恩田陸著のこの本は新しい本ではありませんが、この本のことを知ったのは実はカナダの本を紹介するポットキャスト番組The Next Chapterで紹介されていたからでした。
「この夏おすすめのミステリー3選」といったテーマで取り上げられており、とあるコメンテーターが「最高のミステリー!」と絶賛していたので興味をそそられました。英語でのタイトルはThe Aosawa Murders(アオサワ家の殺人)といったところでしょうか。ポッドキャストで聴いたときは著者名をよく聞いておらず、タイトルで検索してはじめて、恩田陸氏の本だと知りました。恩田さんの本は「夜のピクニック」以来全く読んでいませんし、英訳が出ているとも知らずびっくりしました。今年、英訳がでたそうです。
私は電子書籍だとなかなか読み進められないタイプの人間ですが、この本はすぐに購入して2日で読んでしまいました。私は日本語版の「ユージニア」として読みました。英語版は、同じ名前でも漢字が違ったりする部分をどうやって表現しているのか、気になります。
ストーリーは、とある街で、米寿の祝いをしていた地元の名家で起こった17人の殺人事件。一人だけ生き残った少女。
いろいろと謎の多い作品です。ネットで検索すると、沢山の方が独自の推論をアップされていますので、私はここではあえて書きません。ネタバレもしませんのでご安心を。ただ、普通のミステリー、推理小説とは違い、とにかく謎が多いのでぐいぐい読ませます。
各章の語り手がそれぞれ違うのも面白い。何故そういう書き方をしているのか?そして各章で少しずつ明らかにされていく情報。。。
犯人自体は比較的すぐに分かります。分かるんだけど、この本のゴールは犯人を見つけることではなく、その背景にある「なぜ」について語ることだと思いますが。。。ネタバレはしないので書きませんが、不思議と、読み終わったあともずっと考え続けてしまう作品でした。今も考えています。
読んだことがある方、こっそり感想を教えて下さい。