On Beingは私の好きなポッドキャスト番組で、以前から書こう書こうと思っていたのですが、今朝とても素敵なエピソードを聴いて、これは紹介せずにいられなくなりました。
On Beingは公共ラジオで放送されているインタビュー番組で、クリスタ・ティペットがホストです。番組のテーマは、人として生きるとはどういうことか。神父、詩人、写真家、作家、女優、アクティビスト、科学者、仏僧など、さまざまな著名人とクリスタが毎回語り合います。どちらかというと哲学的、宗教的な話になりがちですが、クリスタの落ち着いた話し方がとてもチャーミングで、いつ聴いても落ち着きます。
先日、有名な詩人マリー・オリバーが亡くなった際は彼女とのインタビュー(オリバーはあまりインタビューを受けなかった人だそう)の再放送で、これもとても良かったのですが、今朝聴いた最新エピソードは、ママブロガーから一転してベストセラー作家になったグレノン・ドイル(グレノンに関しては以前にもこちらで書いています。)と彼女の妻で元全米代表サッカー選手のアビー・ウォンバックのインタビュー。2人とも私もとても好きな女性です。
グレノンは若い頃にアル中で苦しみ、その後若くして3児の母になり、子育て中の寂しさや焦りを綴ったブログで有名になります。しかし問題のあった結婚生活について赤裸々に語り、浮気をしていた夫とやりなおすことを書いたLove Warriar の出版直前にやはりやりなおすことは無理と夫と別居。その後、子どもたちの父親とco-parentingを続けながらサッカー選手のアビーと数年前に結婚したという、かなり波瀾万丈な人生の人ですが、どんなに辛い経験も正直に書くことと、その才能ある文章で圧倒的な人気を誇るブロガー/作家です。
アビーも、全米サッカーチームのスターだったのですが過去には中毒の経験も。最近はサッカー選手としては引退して、講演などをしているようです。
グレノンは、Facebookがまだ新しかったころ、子育てで疲れ切っている時に、よくある「私についての25項目」のような投稿をFacebookで見て、私もやってみよう、と自分に関しての25のことを書いてみました。他の女友達は「好きなスナックはフムス♪」などと書いているのに対して、グレノンは「断酒して7年経つけど時々、自分を虐待した男が何故か恋しくなるように、飲み過ぎ、食べ過ぎが恋しくなることがある」と書き込みます。その後パソコンを閉じて別のことをして、Facebookの投稿のことはすっかり忘れてしまっていました。しかし翌日パソコンを見ると40ものメールが届いており、それはすべて他の女友達からの「私も、、、」「私も、、、」という告白メールだったというのです。女性がいかに正直な気持ちを隠しているのかがわかる逸話です。
その後ブログを初め、ベストセラー本も発行し、圧倒的な人気を得るグレノンですが、今ではアクティビストとしても積極的に活動中です。「川に落ちた人達を助けるのにも限度がある、川の上流を見て、人々を川に落としている人をみつけること」がアクティビズムだと言います。困っている人を助けるのも大事だけど、その原因を見つけて解決するのが大切だと。
また、クリスタから、最近は辛い事件や災害が多すぎて、途方に暮れている人達について聞かれた際、グレノンは「途方にくれている人達に限って、何もしていない人達」と言っていて、激しく頷いてしまいました。私も、常に「じゃあ、私になにができる?」と考える人間だからです。
他にも多くの名言が詰まっているこのエピソード、ぜひ聴いてみてください。