昨日は、ビクトリアの日系団体が集まった餅つき会・新年会でした。私はビクトリア日系文化協会という団体に属していますが、この他にも日本友の会、ビクトリアヘリテッジ日本語学校という団体があり、三つの団体で共同で毎年行っているお餅つき会で、夕食はみんなで持ち寄るポットラック形式です。
バンクーバーからは岡井総領事ご夫妻もお越しいただき、お二人ともお着物で華やかさを添えて下さいました。
お餅つきがはじまると、餅つきを見たことが無いカナダ人の人達や子ども達が取り囲み、一人数回づつ杵でお餅をつくための長い行列ができます。
私はカナダに来て今年で19年目ですが、子ども達はカナダで生まれ育ち、(厳密には長男は日本で産まれ、まだ日本人というかハーフとしてのアイデンティティはありますが次男は見た目はハーフとは言え、アイデンティティは完全にカナダ人です)お餅つきは何度か参加しているので「お餅つかない?」と聞いても興味なく、ゲームに夢中なのがちょっと寂しいところです。
その他にも日本語学校の子ども達によるコーラス、ダンス、(日本語学校のお母さん達は「恋ダンス」をやって下さいました!)、「故郷ダンサーズ」というクラブによる踊り、ビクトリアの太鼓グループ「海鳴り太鼓」の演奏、尺八の演奏、くじびきなど、盛りだくさんの内容でした。
きっと、世界中の日系団体で、似たようなクラブやイベントが開催されていることと思います。日本でやるイベントとは微妙に違うかもしれないけど、海外に住んでいる日本人、日系人として、日本の文化を絶やさずにいたいという気持ちはみんな同じだと思います。
カナダに住んでもうすぐ20年になり、私自身も40代に入り、日本でいうとまるで町内会のようなこういった団体での活動も数年目になり、そろそろ役目が少しづつ重くなってきたなと感じます。
ずっとコミュニティのリーダーだった方々がお年を召していかれ、体調を崩しがちになってくると、まるで彼らが自分の祖父母のような気持ちになってきたことに最近気がつきました。私自身の祖父母は父方も母方も他界していますし、日本で健在なのは母だけです。この日もシニアの方々のお話を伺う機会があって、とても楽しかったです。ビクトリアのコミュニティのシニアのみなさんに長生きして欲しい、と思う気持ちが強くなってきたのは、やはりこのコミュニティを自分の、カナダでのファミリーだと知らず知らずのうちに思ってきたからなんでしょうね。
また、ビクトリアの日系コミュニティは小さいので、お互いの顔が覚えやすくいつも同じメンバーというのもあるのかもしれません。
昨日は日本語学校の小さな子ども達を見て夫と二人で目を細めたり、友人と、別の日本人のお母さんの生後数週間の赤ちゃんを見てキャーキャー言ったり、要するにおばちゃん真っ盛りなのですが、それでも、病気をしていたお友達に久しぶりに会えたり、知り合いのお子さん達の成長ぶりにびっくりしたり、このコミュニティにこの十数年属して来て本当に良かったな、と少し胸が熱くなりました。
日本人社会は「村社会」ということはよく言われることですし、海外に来てまで日本人とたむろする必要無し、として、こういった団体に関わらない方もいらっしゃいますが、年を取るにつれて故郷が恋しくなるのはもう自然の摂理のようなものかもしれません。私自身も、群れることがあまり好きではないタイプですが、お互い家族単位で長年つきあっていくのは「群れ」ているのではないよなあと思いました。 海外に住んでいる日本人同士、助け合っていくことに、コミュニティの価値があるのだと実感しました。
働き盛り、忙しい盛りの私達ですが、もっとコミュニティにGive backしていきたいなと改めて思わされた1日でした。