ウィメンズ・マーチに参加してきました。

ウィメンズマーチに参加してきました。

ワシントンDCでのマーチを始め、57カ国、673以上の都市で実施され、100万人以上の参加者があったというデモ行進。カナダでも各都市でマーチが実施されました。

私が参加した、BC(ブリティッシュコロンビア)州ビクトリアでのマーチの様子をレポートします。

私が住んでいるビクトリアはバンクーバー島にあり、人口は周辺の市町村もあわせると約30万人。

ビクトリアのダウンタウンにある市役所の隣にセンテニアル・スクエアという広場があり、様々なイベントが行われるのですが、この日は私もいままで見たことがないほどの人で溢れていました。女性がほとんどですが、男性や子供も沢山。約半分の人が手作りのプラカードを持っていたり、LGBTQサポートのレインボーの旗を持っている人も。身動き取れないほどの人混みでした。正確な人数は不明ですが、数千人が参加したとか。

少し遅れて到着したことと、自分の背が低いこともあり、ステージで何が行われているのかほとんど見えませんでしたが(それだけ人が多かったということです。)、スピーチはところどころ聞こえてきました。

この日のマーチは「女性のためのマーチ(ウィメンズ・マーチ)と呼ばれていましたが、これはLGBTQコミュニティ、シニア、体の不自由な方、子ども達、様々な宗教や信条、人種の平等を訴えるもので、女性のためだけのマーチではありません。私が見たプラカードの多くには「Unity」や「Equality」などの言葉が多くみられました。

カナダはとても平和な国です。「イケメン首相」として有名なトルドー首相を始め、現在の内閣には様々な人種や性的志向の大臣が揃っていますし、アメリカの「人種のるつぼ」に比べて、カナダは「人種のモザイク」と表現されるように、自国の文化や習慣をそのままカナダで維持することが比較的自由な国です。銃も規制されているし、国民健康保険もあるし。

なかでも私が住んでいるビクトリアは西海岸ということもあり、自由でリベラルな雰囲気なので、LGBTQ、移民にも寛容で、ゲイや難民の人が居ても「それがどうしたの?」と全く普通化されている状況です。

それでもこれだけの人が集まったということは、お隣の国の事とはいえ、現在のアメリカのトランプ政権には危機感を覚える人がそれだけ多いと言うことでしょう。

手編みのピンクの帽子(角が猫の耳の様に立つ)“Pussyhat” (この単語は女性器と猫を意味するスラングで、トランプ首相のリークされた女性に関する暴言に基づいています)は今回のマーチのために沢山の人達が編んできてかぶっていました。

私が一番好きだったプラカードはこちら。「スター・ウォーズ」で有名な女優のキャリー・フィッシャーさんがいかにBadassな女性であったかというのはメディアでも多く取り上げられましたが、レイア姫をモチーフにした” “A Women’s Place Is In resistance” というポスターはHailey Gilmoreというグラフィックデザイナーが無償で作成した物で、サイトがクラッシュするほどの人気だとか。ビクトリアでもプラカードを作っている人がいたので写真を撮ってきました。あと「FIGHT LIKE A GIRL」というのもありよかったです。

スピーチのあとはみんなでデモ行進でビクトリアのダウンタウンを歩いてきました。あくまで平和的な行進で、対立などもみかけませんでしたし、沿道で応援してくれている観光客も。

犬を連れてきている人やベビーカーや車いすの人もいて、封鎖された車道ではおまわりさんが手を降ってくれるという典型的な平和さ。もちろんビクトリアはラッキーな方で、ワシントン始め大都市では衝突や警察の介入などもありました。

女性が沢山集まると、集まるエネルギーが瞬時にソフトでポジティブになるのがすごいですよね。身動き取れないような人混みの中で、若い女性がコーヒーカップが何個か乗ったテイクアウト用のトレイを頭の上に高くかかげながら人混みのなかを歩いていて、最初は「コーヒーを人にあげてるのかな?」と思ったのですが、なんとその女性は「ゴミないですか〜?」と周りの人に聞きながら歩いていて、ゴミ箱に行く途中他の人のゴミも集めていたという。こういうのっていかにも女性的。

LGBTQコミュニティとみられる若い男性も沢山いましたし、もちろんごく普通のお父さん風の男性も多くいました。

小さい女の子は一言「LOVE」と書かれたプラカードを持っていて、こんな小さな子でもわかるのに。。。と胸が熱くなったり。

ダウンタウンを行進する途中、見知らぬ女性がチョコレートの箱を持って廻っていて、「一つどうぞ!」と言ってくれたのでありがたくいただきました。こういうのも嬉しい。

通りかかる車もクラクションをならしてサポートしてくれ、そのたびに参加者からも声があがります。

かけ声もいろいろありましたが、私の周りの人達は、Hey hey, Ho ho! Misogyny Has Got to Go! (女性蔑視はお断り!)と繰り返していました。他にはLove Trumps Hate!と言っていた人達も。

全体的にコミュニティの愛に満ちた平和なデモでした。

このウィメンズ・マーチ、米国では過去最大動員数のデモ活動で、290万人が参加したとか。

歴史的なデモの一部になれたことを誇りに思います。