ヴァルネラビリティ・アノニマスのルール

先日、Clubhouseにてヴァルネラビリティ・アノニマス(VA)の部屋を始めるということを書きましたが、それ以来3回開催しました。

VAの部屋では、定期的に部屋の趣旨やルールを説明していますが、ここにも記載しておこうと思います。今後参加してみたい方も参考にしてください。

1.全員発言(自己開示)する。

ヴァルネラビリティ・アノニマス前回は入室してきた方全員をスピーカーにあげてお話していただく、という方式を取りました。なぜかというと、みんなの前で自己開示をすることは人によってはとても勇気の要ることだと思います。それを、自分自身は自己開示をしないで、「聴き専」でいる人がいるというのは、ある意味、フェアじゃない、と思ったからです。自分は顔をみせてステージに上がり、生身をさらけだしているのに(ブレネーの本では、ヴァルネラビリティ、生身をさらけ出すことは「裸になること」とよく似ている、という表現もありました)、暗い客席から顔を隠して話だけ聞いているようなイメージです。

移動中だったり、仕事中だったりで話せない人もいることは重々承知していますが、あえて、前回のVAでは、そういったお話出来ない方には退出いただきました。Clubhouseというプラットフォームでは、聴き専も充分あり得るのですが、ひとつくらいVAみたいな、話せる人のみの部屋があっても良いんじゃないかなと思います。

2.自分がヴァルネラビリティを感じたことをシェアする。

ヴァルネラビリティとは何か、についてはここに詳しく書いています

ブレネーによると、ヴァルネラビリティの定義は「不確実性・リスク・生身をさらすこと」。なので、あなたが心もとなく感じたこと、不安になったこと、怖かったこと、泣きそうになったこと、傷ついたこと、心が震えたこと、勇気をだしたことなどをシェアしてください。

私は過去には「新しいピチピチのレギンズを履いて外出して自意識過剰になったこと」とか「出演予定だったドキュメンタリーでカットされたこととその理由」をシェアしました。

3.過去のトラウマや自分の一番暗い秘密をシェアする場所ではない。

ヴァルネラビリティや自己開示、と聞くと、自分の人生の一番つらい出来事やトラウマをシェアしなければいけないと感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、VAはそういう場ではありません。虐待やレイプ、自殺など本当に深刻な問題をいきなり話すのも、これもある意味他のメンバーに対してフェアではないと思います。

このあたりは本当に難しいのですが、これはバウンダリー(境界線)の話になると思います。あなたの深刻な話を、誰に話してよくて誰に話すべきでないのかがしっかりわかっていない場合は、話さない方が賢明だと思います。

また、自分のつらい経験を人に話したいと感じる時、その裏にどんな意図(Intention)があるのか、胸に手をあてて考えて見て下さい。びっくりさせたい、慰めてもらいたい、など、聴き手に何らかの反応を期待している場合、そればヴァルネラビリティではない、とブレネーは言っています。

あなたの過去の本当につらい体験やトラウマを、どうしても聞いて欲しい場合は、本当に信頼できる友人や、カウンセラーやセラピストなどのプロフェッショナルに聞いてもらうのが良いでしょう。(信頼については、ビー玉のびんの話をぜひ読んでみて下さい。)

4.自分の中で解決していることだけを話す。

これは3に少し関連しています。人は誰でも、自分の中で解決していないこと、未だにモヤモヤしていることってあると思います。ヴァルネラビリティ・アノニマスでは、自分の中で解決していることだけをシェアしてください。3に、トラウマを話さないと書きましたが、過去に起こったトラウマを、自分の中で消化出来ている場合に限り、話しても大丈夫かと思います。例えば、私は過去の失敗や、離婚などについて話すことがありますが、それはそういった出来事を今振り返っても、既に過去の事として処理ができており、心がザワザワしたりしないからです。逆に、自分の中でまだ片付いていない問題、心の傷が癒えていない問題、また非常に個人的な問題の場合は、私は信頼できる人やセラピスト以外には話しません。

5.ジャッジメントのない安全な場所。

VAはジャッジメントフリーな安全な場所にしたいと思っています。誰かが「夫に『家事を手伝ってくれてありがとう』と感謝の気持ちを伝えることにとても勇気が必要だったけど、がんばって言ってみた」という話をシェアしてくれたとします。そんなとき「配偶者にありがとうっていうのになんでそんなに勇気いるの?」などど矮小化することは止めましょう。一人一人、何が難しくて、何をするのに勇気がいるのかは違います。実際、VAをやっていると、みんなの話を聞いて「自分には簡単だけど他人には難しいこと」というのがわかってくることがありますが、そんなときでもジャッジせずに傾聴できる場所にしていきたいと思っています。そして話している本人は、勇気を出して話しているので、共感しているよ、聞いているよ、というシグナルを送るように相槌をうったりしています。

また安全な場所ということは、VAの部屋で話されたことは口外しない、ということでもあります。


とりあえず4つヴァルネラビリティ・アノニマスに参加する際覚えておいて頂きたいことを書き出しましたが、「これ抜けてない?」ということがあればぜひメッセージで教えて下さい。

ぜひ、ヴァルネラビリティ・アノニマスについて、そしてこのルールについて、質問や感想があれば教えて下さい。