彼女たちは知らない -Day 12

以前も書きましたが、去年の夏頃からバイトを始めました。知り合いに紹介されて、お手伝い程度で始めたのですが、本職も忙しいのに、なんだかんだで面白いのでなんとかまだ続けています。バイトくらいなら何度もやったことがあるのに、今回はいろいろと新鮮なことが多いのです。なぜかというと一緒に仕事をしている子達は自分の子供と同じくらい年下で、かつ私が一番の新米だから。

新しい環境に入っていくのはみんななかなか勇気の要ることだと思います。人によっては新しい環境に入っていくたびに胃が痛いなんて人もいるかもしれません。私は超社交的というわけではないですが、超シャイというわけでもありません。性格というよりも、年を重ねているぶん、新しい人に会ったら自分から自己紹介して、フレンドリーに接するべきと学んだからだと思います。職場の雰囲気ってとても大事だと思うので、誰とも話さずシーンとしているよりは、話しかけて打ち解けた方が楽だと思うだけです。

新しい環境に入っていくのは緊張するという人もいるかと思いますが、私はラジオ局のボランティアに入った時も、新しいプロジェクトで様々な初対面の人と会うときも、特に緊張するということはありませんでした。でも、このバイトに入ってしばらくは、何かが違うなあと感じていました。しばらくして気が付いたのですが、ラジオ局のボランティアや仕事関係で会う初対面の人達はみんなオトナなんですよね。25歳以上のオトナだったら、初対面でも緊張することはまずないです。

バイト先が何か不思議な雰囲気だったのは一緒に働いている人達の90%が18歳から20歳ということ、それがもとで、いろいろと不思議な感情がふつふつと湧いてきました。

年を重ねるにつれて、みんな学ぶと思うのですが、一般的に若い人達の自分に対する興味というのは減っていきます。そりゃあそうですよね。親の世代に興味のある18歳とかあんまりいないと思います。

記憶に薄いですが、自分も若いころはそうだったと思います。でも43歳になった今では、年配の方のお話を聞くのは面白くて仕方ありません。年をとったからこそ、年配の方にはストーリーと知恵があると学んだのだと思います。

若い人達のために書くと、彼女たちは失礼な態度をとっているわけではないんです。あからさまに私をのけ者にしたりとかそういうことはさすがにないですが、ただ、私が年配なおかげで、彼女たちだけの内輪のジョークに入れてないなあと思うだけです。

でも良いんです、入れてないなあと思うだけで、それに嫉妬したりとかはしません。そこまで自分に自信がないわけじゃないですので。オトナですから。

それでも普通に仕事をしているあいだに、世間話くらいはします。学校の事、彼氏の事、クリスマスどうだった?とか、家族のことを聞いたりします。彼女達から私に何か聞いてくるということはないです。でも繰り返しますがそれを「最近の若い人は。。。」と言いたいわけでもないですし、私もオトナなので自分のことを聞いてくれない、とかそのくらいでいちいち怒ったりしません。そういう話ではなくて。

何が言いたいかというと、若い彼女たちの話を聞いているのがすごく楽しいんですよね。もちろん楽しい話ばかりではなくて、将来に不安を持っていたり、いい彼氏ができなくてもう変なヒトばっかり〜、とか、将来何したいのか分からない〜とか、お金無い、とか。バイトに来ている子達のほとんどは大学生ですが、中には休学中や、大学に行きたいかどうかわかんないので今はバイトだけ、という子も。

昨日一緒に仕事した子はこの春に大学卒業なんだけど、そのあとどうするの?と聞くと就活に不安を感じているようでネットワーキングとかどうしよう、、、しばらくは実家に帰って親と住まないといけないだろうけど、大学に行くために実家を離れて以来、実家に帰ってもいまひとつ落ち着かないとか。。

若い彼女たちの不安や自信のなさを、こうね、すごく感じるんです。

でも母親面はしたくないので、私はただ話を聞いて、同意するだけです。本当はハグして私もそんなときあったよ、オトナになるの大変だし辛いけど、きっとうまくいくからあなただけの居場所探してね、って言いたいけど言いません。怪しいおばちゃんと思われるから。

私は彼女達のカウンセラーでも親でもお姉さんでもない。ただのバイト先のおばちゃんです。彼女達は私がどれだけ彼女たちを見てまぶしく思って見守りたい気になっているのか、知る術もありません。They have no idea. No idea.