アメリカでは知らない人がいないくらい有名なラジオ番組にThis American Lifeというものがあります。1995年から続いている週刊の1時間番組で、WBEZというシカゴの放送局で制作されていますが最近では数え切れないほどのアメリカ、カナダの公共ラジオ局、そしてポッドキャストでもこの番組を聴くことができます。私は外を歩いているときや車の運転中にポッドキャストを聞くのですが、このThis American Lifeは一番のお気に入り番組です。ホストのアイラ・グラスは聴いていると眠くなるような落ち着いた声の持ち主で、この番組のクリエイターです。
毎週、テーマに沿ったストーリーが Act1、Act2,のように分けていくつか紹介されるのですが、社会問題を追及したルポ作品になっていたり、感動的な話をまとめていたり、朗読があったり、エッセイをそのまま紹介していたり、様々な才能あるライターやレポーター達が集めてきた話を紹介していて毎回とても質の良い番組になっています。
たまたま今日聴いたエピソードが、デール・カーネギーの「人を動かす(原題:How to win friends and influence people)」に載っているコツを実行したらどうなるだろう?というテーマで、とても面白かったので紹介します。全部紹介すると長くなるので、面白いところだけまとめますね。
番組のサイトではActごとに分けて聴けるようになっていますので便利です。
プロローグ:
プロローグは、この「人を動かす」の本を読んで感銘を受けた父親から、この本を薦められたミシガン郊外の11歳の少年が、学校でこのコツを実践したらどうなったか、というのを面白く紹介しています。
Act1: To Make a Friend, be a friend:
私も大ファンのデイビッド・セダリス(彼は以前この番組のライターで、今でも時折登場します)の作品の朗読。彼の話にはいつも父親がいかに失礼な人間かを自虐的に書いていますが、毎回最後はちょっとしんみりさせるのがやはりうまい。この人の作品は毎回ものすごく面白い。才能。学校で人気のある友達と自分との差をなんとかして埋めようとするデイビッドの回顧録。
Act2: Stay In Touch:
外交というものは、相手の国に自分の国を好きになってもらい、そして他の国を動かして自分の国のために有益なことをしてもらうものですが、911のあと、国同士の連立を求めて他国に働きかける様子をコメディライターで脚本家(30 Rockや最近では エイミー・シューマーのInside Amy Schumerのライターもやっている)のTami Sagherが、「アメリカが中国やイランやパキスタンに電話したらどうなるか」を演じていて面白いです。パキスタンに「カシミアって言ったらあなたしかいないじゃない!」とか、中国に電話して「あの漁船の件、大変だったわね。。。あ、あれ日本?ごめん!見分けがつかないわけじゃないのよ!」とか。笑った。
Act 3: People Like You If You Put A Lot Of Time Into Your Appearance
シアトル郊外在住のマークさんは、スーパーマンの衣装を身につけて時々街に繰り出します。たいていの行き先では歓迎され、道行く車からはクラクションを鳴らされたりしますが、なぜ彼はスーパーマンの恰好をするようになったのでしょうか。それには、ちょっと切ない理由がありました。ライターのまとめ方が上手い。
Act 4: Just Be Yourself
ジョナサン・ゴールドスタインもデイビッド・セダリス同様、非常に才能あるライターです。Act4では、スーパーマンと別れたロイス・レーンとデートすることになった男の話を彼独特の語り口で描きます。すごく良い。
いかがでしたか?iTunesでもこの番組登録できますので是非聴いてみて下さい。英語の勉強にも良いですね。