「素敵」の法則

素敵の法則

プライバシー問題や「SNS疲れ」もあるFacebookですが、良いところはお友達のお友達などで素敵な人をみつけることが出来ることです。Facebookでは、まだ実際にお会いしたことはないものの、あこがれるような素敵なオーラを持った方のプロフィールに出会うことも多く、フィード購読させて頂いたり、気が合うようならお友達になって頂いたりしています。
パーソナルスタイリストの政近準子さんも、そんな素敵な方の一人です。
最近はYouTubeなどの動画コンテンツのエキスパートとして活躍されている熊坂仁美さん(彼女ともニアミスだけで、実際にはまだお会いできていないのですが!)のお友達としてある日紹介されていたのをもとに、フォローさせていただいていたのですが、彼女の投稿には「ふむふむ〜、なるほど」と頷くことが多く、今回、紹介されていた「素敵」の法則を読ませていただきました。

2014年もあけて半月ほど経ちましたが、今年も私はいくつかキーワードを決めています。1年の抱負、とまではいかないけれど、日々気をつけておきたい、今年フォーカスしたいこと。そのうちのひとつが「スタイル」です。
ファッションとは、「見た目だけ」「カッコだけ」ではなくて、実はものすごくパワーがあるものだということは、数年前にチャリティファッションショーに参加させて頂いた頃から感じていたことでした。ただの「着るもの」ではなく、何を着るか、その着るものが自分をどんな風に見せてくれるのか、そしてその結果自分をどういう気分にするのか。お気に入りの服というのは誰でも一着は持っているものだと思いますが、何故それがお気に入りなのか、そしてまた、「似合う」と褒められた時にどういう気分になるかを考えると、ファッションのパワーについては納得していただけるのではないでしょうか。

この数年間は個人的にも色々大変なことが多く、「洋服どころじゃない」というのが正直な感想だったのですが、今年は少しづつですが風向きが変わって来ているのも感じられることがあり、これは気合い入れてスタイルに挑戦しよう、と、今年のキーワードのひとつに選びました。

この場合のスタイルは、もちろん、ファッションや見た目だけのことではありません。自分だけの内面のスタイル、生き方を確立することも含まれます。

政近さんは、まさに「スタイルのある」女性だと常日頃の投稿から感じていました。今回本を読ませていただいて、「やはり、プロは違うなあ」と感心することしきりでした。「リトルブラックドレス神話の真実」など経験にもとづくお話はとても興味深かったです。

巻中には自分に何が一番似合うのかを見極める「ファッションテイスト診断」があるのですが、意外とこれが難しかった。。。自分が好きなファッションテイストはすぐわかるのですが、自分には実際何が似合うのか、というのはまた別ということですね。また後半には沢山のスタイリングのコツも紹介されていて、ためになります。是非いちど手に取ってみて下さい。

A Tale for the Time Being

英語で本を読む事のチャレンジに関しては色々なところで書いていますが、なんだかんだ言って唯一長続きしている趣味でもあります。毎年、年初めには「もっとエクササイズする」とか「家でもっと日本語を使う」とかいう抱負に必ず「◯册以上本を読む」というものが加わるのですが、読んだ本と册数を記録することだけは何故か毎年続いています。

今回読み終えたのはこれ。

A Tale for the Time Being by Ruth Ozeki A Tale for the Time Being by Ruth Ozaki

著者のRuth Ozekiは日系アメリカ人で、数年前に、当時の義理の母から彼女の「My Year of Meats」をプレゼントされたのがきっかけで知りました。アメリカでの牛肉生産のありかたを問うやや政治的な本でしたが、とても面白く読めました。
その後、本好きの友人が、Ruthと友達であることを知り、なんと彼女はここビクトリアからさほど遠くない島に住んでいるということを知りました。

日系人ということで親近感もあったのですが、彼女の新作、A Tale for the Time Beingは有名なブッカー賞にノミネートされたと聞き、これはすぐにでも読まなければと早速買ってきました。

小説家のRuthはある日ビーチを散歩している際に打ち上げられたジップロックバッグを見つける。ゴミだろうと、自宅に持って帰って捨てようと拾うRuth。帰宅してみて開けてみると、中に入っていたのはゴミではなく、キティちゃんのお弁当箱の中にはマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」をカバーにしたノートブックで、中には日本に住む15歳の少女、ナオの日記などが入っていた。。。という話です。

Ruthは日系人なので、少しづつナオの日記を翻訳しながら夫と読み進めて行くのですが、ナオの学校生活、残酷ないじめ、ブルセラオークション、彼女の104歳になる曾祖母、特攻隊で戦死した大叔父、鬱病の父親など、ナオの人生が日記を通して少しづつ浮き彫りになってきます。

その一方で、この日記がどうやって自分の住む島の海辺に流されて来たのか調べようとするRuth。東日本大震災の津波のせいなのか?それとも。。。?

物語はRuthの語りと、ナオの日記の章が交代で進む形になっています。ナオの章にはしょっちゅう日本語が出てきて、注釈がついているのですが、「これは使わないよ〜」という不自然な日本語が出てきて苦笑する場面も多く、今ひとつ入り込めませんでした。また、ナオの日記には、104歳になる曾祖母の人生を書く、と最初に書かれているのですが、結局それが書かれずじまいで残念でした。Ruthの章は、著者自身を主人公にして、夫とのやり取り、小さな島のコミュニティの人々との会話、彼らの性質(ゴシップ好きであるとか、それぞれ秘密の牡蠣取りの浜を知っているとか)などの島での生活の様子は、私が住んでいる州の話、ということを抜きにしても興味深かったです。嵐が来るとすぐに停電になるのでジェネレータは必須であるとか、郵便局が人々の情報交換の場所であるとか。。。とてもそんな辺鄙なところには住めない、と思いつつも、ちょっと住んでみたい気になったりもします。またRuthの作家としての苦悩も正直に書かれていて、会う人会う人に「新作の進み具合、どう?」と聞かれてうんざりするのは、作家でない私でもわかるなあ〜と同情してしまいました。

何世代にも渡って繰り広げられるストーリーは、いくつもの層で出来ています。話が進むにしたがって、絡み合った糸を解くように少しづつナオの日記の背景が見えてきます。最後の方では量子物理学の話がでてきて、ちょっとSFぽくなり、リアリズム小説だと思って読んでいたので違和感のあった私も、「ほう、こう来るか」と気分を変えて読み進めたら、そこまで気にならなかったです。

戦争の残酷さ、いじめの現実、鬱や自殺願望などのメンタルヘルスに関する問題など、心が痛む内容が多いのは事実ですが、禅の教えなどもあり、色々と考えさせてくれる、読み応えのある作品に仕上がっています。

ブッカー賞発表は数日後の10月15日。日系の作家として、是非応援したい本です。

「1万円起業」で世界征服を目指せ

一万円起業 クリス・ギレボー著

世界征服サミットについてはこちらで以前にも紹介していますが、その世界征服サミット(WDS)の主催者、クリス・ギレボーの2冊目の本の日本語訳が出ました!
クリスの一冊目の本は「The Art of Non-Conformity(邦訳は『常識からはみ出す生き方』」で、私もとても感銘を受けた本ですが、2冊目は「The $100 Startup」で、ビジネスを始めるのに大金なんて要らないんだよ、という本で、北米で発売になる前に、クリスに見本を送ってもらいました。

The $100 Startup

今回の邦訳版ではタイトルが、日本人にもわかりやすいようにか、「1万円起業」となっています。

さっそく読ませていただきましたが、やっぱり、日本語だとスイスイ読める〜。

一度読んだ本を、二度読み返す時間はなかなかありませんが(英語の本だと特に)二回目、日本語で読んで、この本のメッセージをさらによく理解することができました。

世界征服サミットにもよく出てくるテーマですが、この本のテーマも、「自由と価値」。一度しかない人生を、いかに自由に、自分の思うままに生きるかというのはクリスが前作の「常識からはみ出す生き方」で詳しく話してくれたことですが、この本では、そんな生き方には欠かせない、「仕事」をどうするかについて書いています。

気になる内容ですが、1500人のマイクロビジネスの「予期せぬ起業家」へのインタビューをもとにした、非常に具体的な実例集となっています。 第一部では、ポートランドで、今では有名な自転車でのマットレス売りをやることになったマイケルさんなどの、予期せずに起業家になった例を紹介。

従来の常識は忘れよう。マイクロ起業を成功させるには、必ずしも特定の分野の第一人者である必要はない。

と説いています。 立ち上げに必要な「たった3つ」のこととは?にも触れています。

第2部はもう少しつっこんで具体的なビジネスの始め方、どんなビジネスを始めるべきか、ビジネスプランはどういったものを書けば良いのか(ヒント:Twitter、リサーチの仕方など。
特に、考えすぎずにとにかくスタートさせることの大切さ、というのは私にもよくわかります。
そして「断れないオファー」を作るまでの完全ガイドも載っています。

クリス自身が、すでに何度も自分のサイトで情報商材をローンチさせている経験が豊富なので、この章での売り上げのサイクルや宣伝の仕方などは、非常に興味深いものとなっています。

第3部はビジネスを実際に始めたあと、いかにして利益を増やしていくか、ビジネスのツイーク(Tweak)のコツが紹介されています。また、ビジネスをやっている人なら一度は体験したことのある「アウトソーシングするべきか否か」という普遍のテーマにも触れていて面白いです。

自分のことにあてはめて空白を埋めて行く形式のワークシートも沢山あり、各章の最後にはまとめのキーポイントも載っていてとても便利。

私も聞いているポッドキャスターのGrammarGirlのミニョン・フォガーティや、Evernote Essentials のブレット・ケリーなど、私でも知っているオンライン起業家のエピソードが載っていて、「知ってる知ってる!」と親近感も。

自分でビジネスや副業を初めてみたいけど今ひとつ最初の一歩が踏み出せない、という人には必読本です。

余談ですが2014年のWDSのチケットセールスも開始されています。この本を読んでクリス・ギレボーってどんな人?彼の本を読んでいる人達ってどんな人達?と気になる方は是非チケットを購入みては。

あなただけの北極星をみつけよう

North Star - photo credit Tony Fischer Photography

(Photo credit: Tony Fischer Photography)
私は本を読むのは大好きですが、英語の本を読むのには未だにものすごく時間がかかってしまいます。日本語の本だと1日2日で読んでしまえるのに、英語の本だと下手すると一ヶ月くらいかかることもざらです。また、内容にイマイチ入りこめないと、途中で辞めてしまう事もあります。

この一ヶ月ほど、そんな風に放ったらかしだった本を再度読んでいました。

タイトルはFinding Your Own North Star. あなただけの北極星を見つけるというタイトルです。

この本は、3年ほど前に、当時の私のコーチから勧められました。

コーチというのは個人的向上のために様々なツールを使って目標達成の手助けをしてくれる人ですが、彼女とは3年ほど前にとあるカンファレンスで偶然隣に座ったのをきっかけに知り合いました。トロントでのカンファレンスだったのですが、はるばるアメリカからやってきた彼女とは何故か話もあい、トントン拍子で私のコーチになり、それから3ヶ月ほど、彼女にはスカイプで定期的にコーチングしてもらいました。

当時の私は、前の夫と別居した直後だったということもあり、今から考えると信じられない事ですが、自分の人生に自信がなく、一体この先どうやって生きて行けば良いのだろうかと不安でいっぱいでした。当時おつきあいしていた人ともうまく行っていなかったし、仕事の方向性も見失っていたのです。深刻なレベルではありませんでしたが、軽いうつのような状態でもありました。

そのコーチからは、セッションのたびにいくつかお勧めの本を紹介してもらいましたが、Finding Your Own North Starもその中の一冊です。この本では、北極星を「あなたが進むべき人生、幸せな人生への可能性」への道しるべと考えています。その北極星へたどりつくにはどうすればいいのか?というのがこの本のテーマです。

まずこの本の冒頭で学ぶ事は、たいていの人は誰しもSocial SelfとEssential Selfの2人の自分を持っているということです。

Essential Self(本質的自身とでも訳せるでしょうか)は、あなたを北極星へ導く高機能のコンパスをもっています。そしてSocial Self(社会的自身)というのは理性と言い換えても良いかも知れませんが、実際にそのゴールへとあなたを導くスキルを持っているものです。例を挙げると、あなたのエッセンシャル・セルフが医者になりたいと切望するとき、実際に医科大学を選択して申し込むのがソーシャル・セルフであり、あなたのエッセンシャル・セルフが大自然での自由を切望するとき、正しいバックパッキング用具を選ぶのがソーシャル・セルフといえます。

このシステムは、エッセンシャル・セルフとソーシャル・セルフがお互いに連絡を取り合って一緒に働いてくれさえいれば素晴らしく機能します。しかし、大部分の人達は、このような、自分自身の中に既に持っているナビ機能を使わずに、他人に自分の人生の進路を決めさせている人がほとんどなのです。

エッセンシャル・セルフは誰もが持って産まれてくるもので、あなたの欲望、好み、感情的反応など、これらがひとつになってあなたのアイデンティティを形成します。これはあなたの個性のエッセンスであり、あなたの「北極星」に辿り着くのに絶対に必要だものです。ソーシャル・セルフは、人間は赤ちゃんの頃から他人に頼らなければ生きて行けないという原理のもとに、周りの人を喜ばせようとするあなた自身の一部ですが、こちらの自身だけが発達してしまい、他人の価値観にあわせて生きてしまう人がとても多いのだそうです

著者のマーサ・ベックはライフデザインのカウンセラーですが、ユーモアあふれる文章と、彼女の実際のクライアントの例を沢山載せてくれているせいで、とても読みやすい本でした。

銀行で働くのが大嫌いなのに銀行での面接に行き、面接官に「何故銀行で働きたいのですか?」と聞かれて思わず「働きたくありません」と答えてしまった人の話は、「給料が良いから銀行に勤めるべきだ」というソーシャル・セルフを、それに同意しないエッセンシャル・セルフが妨害した良い例だといいます。

また興味深いのが、著者の友人のリンダという女性の話で、リンダは以前の恋人、ロジャーと別れて以来、彼のことが忘れられなかったのですが、話を聞いてみるとこのロジャーという男性は頭が良く、パワフルでカリスマのある人物で、リンダにただならぬ影響を及ぼしたらしく、他の男性とつきあうチャンスがあっても「ロジャーに笑われるような相手とはつきあえないわ」とばかり言っていたそうです。ある日、リンダとレストランを出た著者は、リンダが道の向こうを見て凍り付くのに気がつきます。ロジャーがそこにいたのです。そのロジャーを見て著者はびっくりします。何故なら、そのロジャーは彼女が17歳の時から知っている人物で、平凡でぽっちゃりした、やや飲み過ぎる傾向のあるオタク系の男で、十数年経った後でも相変わらず平凡でぽっちゃりしたオタク系の男で、リンダから聞いた話から想像していたパワフルな男とはほど遠かったのです。著者は、これはまさに、自分以外の不当な人物に力を与えてしまうことの例だとしています。

ソーシャル・セルフだけの言う事を聞いて生活していると、毎日が楽しくなくなったり、健康を害したり、うつになったりと、毎日悶々と、アンハッピーに過ごすことになってしまいます。

大抵の人は、頭の中にソーシャル・セルフが「Everybody 」または「People」(みんな)と呼ぶ、不特定の評論家を持っています。

「仕事をやめるなんていったら、みんなの尊敬を失っちゃうわ」

「ロレックスの時計を身につけてないとみんなにカッコ悪いと思われてしまう」

などなど。著者はその「みんな」って一体誰?実際に6人名前をあげてごらんなさい、というエクササイズも紹介してくれています。殆どの場合、この「みんな」はあなたが勝手に造り上げたものだったりします。そして、万が一何人かの名前を実際に挙げる事ができたとしても、大抵の場合、実際に自分に対して批判的な人というのは、家族や親しい友人など、自分が愛する人達と共に、自分が嫌いな人達も含まれます。そう、皮肉なことに、毎日、あなたが嫌いな人達に、あなたの人生のコントロールを手渡しているのです。

この本では、そんな「みんな」をどうやって味方にするか、批判的な人達からどうやって離れるか、どうやって自分のエッセンシャル・セルフの声に耳を傾けるか、(コンパスの読み方)、過去の心の傷の癒し方などを教えてくれます。

後半部分では、自分の北極星がなんであるかわかった際に、どのような変化のサイクルを通してその目的に達成するかを4つのセクションに詳しく分けて説明しています。

この本自体そんなに新しいものではありません(2001年)が、今でも十分通用する内容とツールが盛り込まれた本です。ウィキペディアのエントリーを見ると彼女はモルモン教徒として育てられますがその後離脱し、ダウン症の息子さんを育て、さらに離婚したあと元のダンナさんと共にゲイであることをカミングアウト、現在はオプラ・ウィンフリーの雑誌、Oマガジンにコラムを書くなど、かなり波瀾万丈な人生のようですが、これも彼女のエッセンシャル・セルフに正直に生きて来た証なのでしょうね。

まだ日本語訳はでていないようですが自分の将来が見えてこない人、現在の生活に満足していない人にはお勧めの本です。

「ビジネスに差が付く iPhoneアプリ仕事術」

tokumoto san

オンラインで知りあって、ご縁があってオフラインでも実際にお仕事をご一緒させて頂いた方の一人が、ソーシャルおじさんとして有名な徳本昌大さんです。この春には、東北へご一緒させていただきました。どんどん新刊を出されているので、追いつくのが大変ですが(汗)そんな徳本さんの新しい電子書籍の一つ、「ビジネスに差が付く iPhoneアプリ仕事術を読ませていただきました。

実は私はまだiPhoneを使いだして1年になるかというところなので(それ以前はBlackberry Boldを使っていました。懐かしい。。。)未だにiPhoneの基本がわかっていないところも多く、「これは知らなかった!」という裏技がいくつもありました。特に、キーパッドの日本語/英語変換とか。私はiPhone4Sを使っていて、今のところ快適ですが、あの日本語フリック入力に未だにもたついています。(私の場合、ソーシャルメディアへの投稿やテキストメッセージなど、英語で入力することの方が多いので。。)そんなときでも入力が素早くできるコツなど書かれていてとても参考になりました。

他にも、ビジネスに、勉強に、リラックスにと様々な場面で使えるアプリが本当に沢山紹介されています。私も実際にいくつかダウンロードさせて頂きました。

iPhoneをもっとビジネスに役立てたいと言う方に、お勧めの電子書籍です。

 

静かな感動をもたらす「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

子供のミドルネームに春樹とつけたくらいのファンの私ですので、もちろん、村上春樹の最新作、「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は発売前から予約して購入しました。到着後すぐに読み終わったのですが、何度か読み返したりしていたので感想が遅くなってしまいました。

(ネタバレはしていませんが、作品中のいくつかのエピソードに触れていますので、まだ読んでいない方はご注意を。)

ストーリーの軸は主人公、多崎つくると彼の高校時代の親友たち4人の話。最初、タイトルを聞いた時「なんて訳わからんタイトルなんだ!」と思いましたが、ちゃんと本を読めば意味はそのままです。高校時代の仲良し5人組のうち4人の名前には、赤、青、黒、白と名字に色が入っていたのですが、つくるの名字には色がなく、よって「色彩を持たない多崎つくる」なんですね。

あらすじを簡単に説明すると、つくるは高校を卒業した後、一人だけ地元の名古屋を離れて東京の大学へ進学。しかし彼が大学2年のある日、親友たちから二度と会いたく無い、口もききたく無いと通告される。全く理由も明かされないまま、一方的に友情を断ち切られたつくるは傷つきながらも社会人になり、駅を造る仕事をし、それなりに不満の無い人生を送っていた。そんなつくるに、ガールフレンドの沙羅は、何故そんなことになったのか自分で答えを見つけるべきだと提案する。。。というお話。

村上春樹の前作「1Q84」に比べると、ストーリーはかなり普通ぽく、「国境の南、太陽の西 」に雰囲気が似てるなと思いました。

沙羅はつくるの高校生の時の話を聞いて、彼が4人の親友からグループを追放されたことを知り、何故彼がその理由を突き詰めて聞かなかったのか尋ねます。

「なにも真実を知りたくないと言うんじゃない。でも今となっては、そんなことは忘れ去ってしまった方がいいような気がするんだ。ずっと昔に起こったことだし、既に深いところに沈めてしまったものだし」

沙羅は薄い唇をいったんまっすぐ結び、それから言った。「それはきっと危険なことよ」

「危険なこと」とつくるは言った。「どんな風に?」

「記憶をどこかにうまく隠せたとしても、深いところにしっかり沈めたとしても、それがもたらした歴史を消すことはできない」。

この沙羅の台詞が、この物語でもキーフレーズになっています。記憶は隠せても、歴史を消すことはできない。

そしてつくるはそれぞれの友人達を訪ねて行きます。そう、まさに巡礼です。

「1Q84」や「ねじまき鳥クロニクル」ほど、「あっちの世界」に飛んじゃっていないストーリーなので、普通に楽しめると思います。特に物語の前半は、いったい何故つくるが追放されたのか、という点が謎になっているので、ぐいぐい読ませて、「ミステリーか、これは!」という感じです。

途中、いくつか謎のストーリーが挿入されています。大学の後輩、灰田(ミスター・グレイ)そして彼の話に出てくる緑川(ミスター・グリーン)など。カラフルな名前が沢山出てくるので、思わずボードゲームの「Clue」かと思ってしまいました。Mrs. Peacock、Colonel Mustard、Miss Scarlettとかね。

私は13歳の時に「ノルウェイの森 」を読んで以来、かれこれ25年も村上春樹の本を読み続けていますが、今回初めてグーグルやフェイスブック(どちらもカタカナ表記)が出て来て、さすがに時代が進んだな、と感心しました。

いくつか、意図が今ひとつつかめないストーリーも挿入されています。単なるエピソードで済ませていいのか、深読みしても今ひとつ理解出来なかったのが、「良いニュースと悪いニュース」のエピソードと、「六本目の指」のエピソード。「良いニュース/悪いニュース」は英語でよく使われるフレーズですが(”There’s a good news and a bad news” )、帯にまで載せるほど意味のあるエピソードには思えなかったのは、単に私の理解力が無いからでしょうか?指が一本多い人の話は過去の村上作品にも出て来ますので、村上氏の興味あるトピックなのかな、と思いますが。

物語の後半では、それぞれの友人と話をして行き、だんだんと真相があきらかになっていきます。前半はミステリーで読ませますが、この後半はゆっくり、じっくり読みたい会話が沢山でてきます。特に、最後に会う友人との部分は弱い人間の葛藤、そして精神の脆さに触れられていて、「ノルウェイの森」の直子、そしてレイコさんをなんだか思い出してしまいました。人の心の中にある闇、そしてそれを消してほしいと求める人間、このあたりは「ダンス・ダンス・ダンス」のキキの役割をふと思い出しました。そして、引用するこの部分は、特に美しい表現だと思いました。

そのとき彼はようやくすべてを受け入れることができた。魂のいちばん底の部分で多崎つくるは理解した。人と人の心は調和だけで結びついているのではない。それはむしろ傷と傷によって深く結びついているのだ。痛みと痛みによって、脆さと脆さによって繋がっているのだ。

最後の章ではつくるが自分の人生を振り返る様子が描かれていて、特にドラマティックでは無いものの、静かに心を打ちます。色を持たず、これと言った向かうべき目的を持っていなかったつくるが、失いたくないと思うもの。

何度か読み返しましたが、私はかなり好きな本です。私は「ねじまき鳥」や「1Q84」のような「あっち系」の話も気になりませんが、村上作品のああいった非現実な話が苦手という人でも、この「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」は入りやすいのではないでしょうか。是非読んでみて下さい。

 

 

Daring Greatly: 挑戦する勇気

あっという間に2013年も最初の2週間を過ぎようとしています。ご挨拶が遅れましたが、今年も宜しくお願いしますね。

私の周りには新しい仕事、新しいプロジェクト、新しく子供が産まれる人などが沢山居て、巳年らしく、脱皮して新しい事にチャレンジするぞーというエネルギーがみなぎっています。私ももうすぐ新しいプロジェクトが始まるので楽しみです。(詳細は後日)

さて、新年というと、いろいろと目標を決める人が多いと思うのですが、何か決めましたか?私の周り(オンラインでもオフラインでも)では「毎年新年に目標決めても数ヶ月経つと忘れちゃうんで意味無し」という人や、「新年だからって何故新しい目標を決めなくちゃいけないの?思いついた時にやれば良いのよ」という人も居て、最近のトレンドとしては、「1年の抱負」というのはあまり人気がないみたいですが、やはり新年を大切にする日本人としては、何か抱負、目標を決めたいなと思う私です。

私もいくつか目標を決めましたが、今日はその中でも今年一番フォーカスしたいものについてお話します。
年末に、TEDTalkで非常に有名なブレネー・ブラウン(Brené Brown)氏の最新著書Daring Greatlyを読み、非常に感銘を受けました。少なくとも、この数年で読んだ本の中では、最も重要な本だと思います。日本語訳がいつ出るのかわかりませんが(注:翻訳版は「本当の勇気は「弱さ」を認めること」)、彼女のTEDトークはここで見れます。(日本語訳付き)

彼女は今では様々なカンファレンスに引っ張りだこのスピーカーで、北米では今更彼女の紹介をするまでも無いのですが、彼女の本職はテキサスの大学の研究者で、主に人間の弱さと恥について研究している人です。私は彼女のTEDトークを見てとても感動して、彼女のブログを読んだり彼女の本を読んだりしていましたが、この最新刊にはまさにうちのめされました。

彼女の話す「弱さ」—英語ではVulnerabilityと言いますが—とは私たちが日常で生活して行く上で誰もが経験する、「不安感」や「もろさ」の事です。その弱さとは一体どういうことなのか、例をあげると:

—助けを求めること

—ノーということ

—自分のビジネスを立ち上げること

—夫や妻をセックスに誘うとき

—ガンにおかされた妻と遺言状の準備をすること

—子供を亡くした友人に電話をすること

—離婚後初めてのデート

—仕事をクビになること

—恋に落ちること

—彼氏を初めて親に紹介するとき

—怖がっていると認めること

—人のうわさ話をしている人をとめること

—許しを乞うとき

—新しいことを始めるとき

−3回の流産のあと また妊娠すること

—公共の場でエクササイズするとき

…きっと誰でも経験あると思います。私だって、パーティで知らない人ばかりの時、Vulnerableに感じます。学校で、授業について行けていないときに先生にあてられないかドキドキすること—それもVulnerabilityです。
ブラウン氏は、こういった弱さに勇気を出して立ち向かうことこそが、Wholehearted Livingへの近道だと言います。それでは、Wholeheartedとは一体どういうことでしょうか?
日本語に訳すると「心からの生き方」と言えるでしょうか。ブラウン氏による、Wholehearted Livingのガイドの一部を紹介すると、
—他人がどう思うかを気にしないこと
—完璧であることに執着しないこと
—確かさを求めないこと
—人と比べないこと
—心配性を克服すること
—自分を疑わないこと
—自分をさらけだすこと

などだそうです。

本の内容についてはいくらスペースがあっても書ききれないので、是非本を読んでみてください。タイトルのDaring Greatly というのは、セオドア・ルーズベルトのスピーチから取ったそうで、ちょっと長いですが抜粋すると:
“It is not the critic who counts: not the man who points out how the strong man stumbles or where the doer of deeds could have done better. The credit belongs to the man who is actually in the arena, whose face is marred by dust and sweat and blood, who strives valiantly, who errs and comes up short again and again, because there is no effort without error or shortcoming, but who does actually strive to do the deeds; who knows great enthusiasms, the great devotions, who spends himself in a worthy cause; who at the best knows in the end, the triumph of high achievement, and who at the worst, if he fails, at least he fails while daring greatly…”

「重要なのは批評家ではない: 強い男がつまづいたことを指摘したり、もっと良くやれたはずだと言う人間ではない。称賛に値するのは実際にアリーナの中で、塵と汗と血で汚れた顔で勇敢に奮闘し、何度も何度も間違いを犯し、目標に及ばないものの—何故ならあらゆる努力は失敗と欠点無しにはあり得ないからだ—それでも行動を起こす人間である;熱心さと情熱を持ち合わせ、価値のある信念に自分を費やし—最良の場合には最後には勝利の達成を、そして最悪の場合には、少なくとも 勇敢に挑戦しながら失敗したと知っている。。。」

失敗しても、恥をかいても、それでも勇敢に挑戦する人間の方が、それを指差して批評したり笑ったりする人間よりもずっと「心から」生きている人間なのだ、というブラウン氏のこの本には、ある意味人生変わっちゃうくらい感銘を受けました。なので、私の2013年の目標の一つは「Practice Wholehearted Living – 心からの生き方を実践する」ということです。

まずはぜひ上のビデオを観てみてください。日本ではまだまだ人間の弱さに関する対話が少ないと思うので、このブログででも、ソーシャルメディア上でも、興味のある人と色々話せたら良いなと思います。

「秋元康の仕事学」

先日、どなたかがFacebookで薦めていらしたのを見て(これが誰だったのか全く思い出せなくて心苦しいのですが)BK1で購入した、「秋元康の仕事学」(NHK出版)。

ほんの軽い気持ちで購入して、軽い気持ちで読み出したのですが、これが目からウロコの連続で。

普通、仕事で何か企画しないと!って時は色々ネットで調べたりトレンドをチェックしたりしますよね。秋元氏はそういうことをいっさいしないと。

本の「はじめに」の部分にも書いてありますが、秋元氏は「企画のリュックサック」なるものをもっていて、日常で気になったこと(「あの人の傘のさし方は面白いな」とか「みんなの水の飲み方が違うな」など)に「付箋」をつけておいて、想像上のリュックサックの中に放り込んでおくという。

 

「企画の入り口は 『気づく』こと」

企画力のある人は、単なるお茶汲みの仕事でも、それぞれの体調にあわせて違ったお茶を出して挙げたりできるような人のことだそう。

−これはすごく勉強になりました。

それではそのような「気づき」ができるような人になるにはどうするかというと、どんな1日も無駄にしないように生きる、ということなんだそうです。

一行日記を勧めてらしたので、私も毎日、その日何がおこったか、書き留めることにしました。今までは全く書き込みのない手帳のページも多かったのですが、これからは毎日何かしら書き込んで行こうと思っています。

 

 

 

 

「ゆるく、自由に、そして有意義に ストレスフリー・ツイッター術」

Twitterで仲良くさせていただいている渡辺由佳里さんの「ゆるく、自由に、そして有意義に ストレスフリー・ツイッター術」読ませていただきました。

一昔前に「Mixi疲れ」なんて言葉があったけど、最近ではTwitterでもストレスを感じる人が多くなっているとか? 何故? やはり、こういうのって日本人独特の悩みなのだろうか。

数ヶ月前に由佳里さんからはTwitterに関する本を執筆しているとのことで、Twitterをどういうふうに使っているか教えて下さい、と質問されていたのだけど、私の場合、ほんとうにはっきりとした「目標」「ゴール」なしに使っているのであまり参考になるかは甚だ疑問ですが、Twitterでいろいろなコネクション(ビジネスでもパーソナルでも)ができたのは事実です。

Twitterに関して、いかに、ゆるく他人とつながっていくか、由佳里さんならではの語り口で押しつけがましくなく提案されていて、とってもいい感じです。

Twitter中毒かどうかのチェックリストも載っていて、ドキドキしながらチェックしてみましたが、なんとか6個で、中毒まではいかずに済んだようです。はは。