【おすすめポッドキャスト004】Getting Curious with Jonathan Van Ness – Day 58

今日おすすめするポッドキャストは、Getting Curious with Jonathan van Ness。Getting Curiousとは 好奇心を持つという意味だけど、実は初めてこのタイトルを聞いたとき、私はこれはLGBTQ関連のポッドキャストかと思ってしまった。というのも、Bi-CuriousとかGay-Curiousとは「ゲイ/バイとカミングアウトしてないけど自分はそうかもしれない、またはちょっと体験してみたい」などというニュアンスでよく個人広告などで使われるフレーズなので。でも実際聞いてみると、全くLGBTQに偏っておらず、タイトルどおりあらゆるトピック−「スンニ派とシーア派でどう違うの?(これまさに第1回のトピック)」「歴史上最初のクリスマスってどんな感じだったん?」「インターネットセキュリティって何?」「生理カップって何?」「ロマノフってどういう人達だったの?」「摂食障害って何?」「性同一性って何?」「銃規制に関してどうすればいいの?」「アメリカで黒人として生きるってどういう感じ?」「ブラジルで一体何が起こってるの?」などなどなど、とにかくありとあらゆるトピックで、その道の専門家をゲストに招いて語るという番組。

ホストはNetflixで放送されているリアリティ番組Queer Eye でヘアケアスペシャリストとして出演しているにジョナサン・ヴァン・ネス。通称JVN。Queer Eyeはもともとは2003年に、おしゃれなゲイ5人組(Fab 5)が、冴えないストレートの男性にファッションやインテリア、料理などのアドバイスをするという番組だが、2018年に新メンバーで復活、ジョナサンはその新Fab 5 の一人というわけ。ジョナサンはそのロン毛とトークの面白さで爆発的に人気がでた。

ジョナサンは中西部のイリノイ州出身。かなりコンサバティブなエリアということもあり、高校の頃はゲイということでいじめられたらしいが、なんとチアリーダーの奨学金をもらって大学へ進んだらしい。

その後は美容師の学校に行き、ロサンゼルスに出てきて美容師として働いてたが、ゲーム・オブ・スローンズ(GOT)が大好きで、お客さんとGOTをネタに盛り上がっていたらあまりに面白かったためFunny or dieと言うサイトでGay of Thrones というパロディウェブシリーズをやって欲しいとスカウトされ、一部の人の間ではそれなに有名だったのだそう。その後Queer EyeのFab5にオーディションで選ばれ、誰でも知っている有名人になった。

ジョナサンはポッドキャストのタイトルどおり本当に様々なことに興味があるようで、ポッドキャスト自体もともと一人で始めたもの。

皮肉なことに、Queer Eyeで爆発的に人気が出る直前に、当時のポッドキャストネットワークから、番組打ち切りを言い渡されるが、どうしてもポッドキャストを続けたかったため、現在のEarWolfネットワークに移動して番組は続いている。彼の番組を打ち切りにした最初のポッドキャストネットワークは、今頃後悔してもしきれないのでは。。。

ジョナサンの人気の理由は、話が面白いというのもあるが、単にはでやかで話が面白いゲイの男性というのは結構どこにでもいる。ジョナサンの魅力は、やはり様々なことに好奇心を持っているところ(政治にもけっこう詳しい)、独特のボキャブラリー(Itで済む単語はまず間違いなくShe/Herになる。Gorgeousの代わりにGorge! と言う。Yas Queenとか、Hunny とか、いわゆるオネエ言葉なのだが新しい言い回しが多くずっと聞いていると自分もつられてしまう)がまた楽しい。そして彼はジェンダーノーム(一般的な性別の範囲)を大きく超えたファッションで、私は大好き。彼はロン毛で髭をはやしているけど髪をお団子にしたり、三つ編みにしたり、スカートをはいたり、ヒールやブーツを履いたりする。最近フィギュアスケートのレッスンを始めたらしく、彼のインスタグラムにはよくスケートの動画がアップされている。性別の枠を超え、従来の「男らしさ」を根底から覆す自由な彼の大ファンだ。

そして最近までFab 5のメンバーはQueer Eyeシーズン3の撮影の為、日本に数週間滞在していた模様。日本からアップされたこれらのインスタ写真も大好き。

ポッドキャストでは分からないことは正直にわからない、説明して、と言っている彼に好感が持てるし、ブレネー・ブラウンやヴァルネラビリティについてもちゃんと読んで理解しているところもすごいと思う。とにかく、一度聞くと彼のトークに引き込まれること間違いなしなので、ぜひ聞いてみて欲しい。

(写真は全てインスタグラムから)