【著者注:これは2012年の情報です】
日本のAmazonが、Kindleの発売を開始し、それに伴い電子書籍の販売も始めました。
これを聞いて海外在住の日本人はみな「ついに日本の本がダウンロードできるのか!」と大騒ぎになり、同じことを考えた方は沢山いるようで、Twitterでも「日本語の電子書籍、アメリカのKindleで買えるのかな」というようなつぶやきを沢山見かけました。
私もその一人なのですが、みなさん一人一人状況が違うと思いますので念のため記しておくと、私はKindle端末は持っていません。電子書籍はKindle for Mac, Kindle for iPhoneという二つの無料アプリを使って読んでいます。仕事柄、レビュー用に発売前のUnproofed Copyの書籍を送ってもらうことが多いのですが最近は電子書籍も多いです。私は机に向かっている時間が長いので、そのような本はMacbook ProのKindle for Macで読むことが多いです。外出している時の時間つぶしにはよくKindle for iPhoneで本を読みます。Kindle端末も欲しいところですが、今、相方の古いiPadを使っていて、そこにさらにKindle for iPad を入れようとしているので、これだけあったらあえて端末を買わなくても良いかなという気もしています。(余談ですが今回の日本のKindleストアにはKindle for Macのことは全く触れられていません。まずは携帯端末から、ということでしょうかね。)
さて、海外から日本の電子書籍を買う方法ですが、Blog from Americaのこちらのページに、非常に詳しく書かれておりますので、是非読んでみてください。吉田さん、ありがとうございます。
海外在住者としてまず最初にすべきことは、日本のアマゾンのアカウントを作ることです。おそらく、大抵の方がアメリカのアマゾンのアカウントと、日本のアマゾンのアカウントをすでに持っていらっしゃると思うので、このステップはよけいなお世話かもしれませんが、持っていない人は是非アカウントを作ってください。Amazon.comではなくてAmazon.co.jpで。この二つのサイトは別モノと認識してください。日本のアマゾンのサイトでは、居住国を「日本」にして、配送先を日本の住所(私は実家の住所を使っています。)を指定してください。吉田さんのサイトによると、クレジットカード情報は北米のもので問題ないようです。私もカナダのクレジットカードです。
オープンして数時間はバグなどあったようですが、Kindleストア既にオープンしておりますので、ここで現在購入可能な電子書籍を閲覧することが出来ます。おそらくIPアドレスのせいで私が海外からアクセスしているとわかるからだと思いますが、居住国を日本に設定していても、「このタイトルは、あなたの国では利用できません。」と出ますが、無視して大丈夫です。
さてKindleストアにて、買いたい本を決めたら、「1-Clickで今すぐ買う」、または「今すぐ無料サンプルを送信」の部分をクリックします。試しに、貴志祐介さんの「新世界より(上)」を選びました。すると。。。このような画面が現れます。
上で述べたように私もKindleアプリは持っているのに、何故?と思いましたが、私が持っているKindleアプリは全てAmazon.comとシンクしているので、このシンクを外して、Amazon.co.jpとつなげなければ行けない訳です。現在私のKindleは日本のアマゾンアカウントに繋がっていないので、上記のようなエラーが出るのは納得できます。それでは、私のKindleアプリを日本のアマゾンとつなげれば良いだけじゃん、とお思いでしょうが、既にお気づきとは思いますが、そうするにはAmazon.comと私のアプリをDeregisterしなければ行けません。このDeregisterという単語が、単なるログイン、ログアウトとは違い、なんだかコミットメントの高そうな単語。私のKindleアプリを、現在のAmazon.comアカウントからいったん外して、日本のアマゾンとつなげれば、上記のエラーは出ずに、無事に書籍購入ができるはずなのですが、その後英語の本を読みたい時にアメリカのアマゾンと再度繋げられるのか?と聞かれると、微妙です。既に、Twitterではお友達の渡辺由佳里さんが以下のようなツイートをされています。
このポストを書き始めた当初は、「怖いので私はDeregisterしない」とまとめたかったのですが、書いている途中に吉田さんから、「昨夜、何度もiPadでDeregisterしては別のアカウントでRegisterを繰り返しましたが、別に何も問題無かったですよ。 それぞれのアカウントで購入した本は、Amazonのそれぞれのクラウドに保存されています。 毎回Registerしなおすたびに、端末コピーは消えて、クラウド既存のに購入したコンテンツがリストのみされるので、読みたい本をタップすると端末にコンテンツをクラウドからダウンロードしないといけないので、ネットに繋がっていなかったり、ネットの速度が遅いと、そのたびに時間が掛かるとは思いますが、それ以外は何も問題は無いと思いますが。」というありがたいコメントが入り、私も思い切って(笑)やってみました。アメリカのアマゾンからDeregisterして、日本のアマゾンのアカウントでログイン。すると。。。
「配信先」に私のiPhoneが表示されてます。イエーイ。これで無事に書籍をダウンロードできました!
私はこのことはしょっちゅういろんなところで書いていますが、母国語でない英語で本を読むのにはものすごく時間がかかります。日本語の文庫などですと1日で読めるものが、英語になると、私には1ヶ月かかることなどざらです。(「洋書ファンクラブ」の渡辺さんはものすごく沢山の洋書を読んでらしてすごいです。)だからといって英語で本を読むのを止める訳ではありませんが、すらすら読める日本語の電子書籍がAmazon.co.jpを使って購入できるようになったというのは海外在住者には画期的なことです。
もちろん、いちいち日本とアメリカのアマゾンを切り替えたり、KindleをRegister/Deregisterするのが面倒という人も沢山いらっしゃるでしょう。一つのアマゾンのアカウントで、どの国の書籍でも購入できるようになるのが一番なんでしょうが、アマゾンさん、One thing at a timeですよね。ニール・アームストロングの月面着陸ではありませんが、「これは小さな一歩だけど。。。」といったところでしょうか。きっと、数年後には、2012年のことを振り返って、「ねえ、昔は日本の本買うのに毎回Kindleログアウトしてたよねえ。懐かしい!」なーんて言っているのでは。そうなることを祈っています。