ブレネー・ブラウン2016年秋の新コース

夏休みも終わり、北米では9月が新学期なので、日本の4月のような慌ただしさです。新学期ということで、夏休みの間はリラックスしていた気持ちを引き締めて、色々と新しいことに挑戦する人も多いようですね。

ブレネー・ブラウンのオンラインコースのサイト、Courage Worksでは、今年の初めからLiving Brave Semester というコースを取っていました。ヴァルネラビリティとは何か、勇気を持って生きるにはどうすれば良いのか、エンパシーとシンパシーの違い、自分にとってのアリーナは何か、などなど、沢山のことを学びました。このコースは来年もまた開講されるようですので取っていない方には強くオススメします。

そして、この秋から、いくつか新しいコースが提供されるのでご紹介しますね。

The Wisdom of Story

最初にご紹介するコースはThe Wisdom of Story、ストーリーの教え、とでも訳しましょうか。ブレネーの最新書、Rising Strong(しつこいようですがまだ邦訳が出ていないようなのでぜひ翻訳したいです)に、「ストーリー」についての話がでてきます。

ブレネーがPixarに行った時のエピソードで、全てのストーリー、お話には「弧」があり、日本語でいう起承転結に近いですが、Story Arcというものについてブレネーは学びます。もとはジョセフ・キャンベルが説いたヒーローズ・ジャーニー(英雄の旅)という、数々の神話に見られる一連のパターンが有名ですが、ここでは簡略化された3つの幕が紹介されています。

1幕 世界観とルールが説明され、事件が起こる

2幕 主人公はヴァルネラビリティを体験せずに問題を解決しようとする

3幕 鎧が外れ、学びが訪れる

Pixar で有名なトイ・ストーリーやバグズ・ライフも上記のような弧(ストーリー・アーク)を描いていますよね。

このWisdom of Storyのコースでは、作家でブロガーのGlennon Doyle Melton と共に、自分自身のストーリーを把握することがいかに大切かについて教えています。Glennonは拒食症と中毒を乗り越えて今では作家として成功している人で、最新刊の「Love Warrior」がヒットしています。

「人生とは辛い(Brutal)ものだけど、同時に美しい(Beautiful)」という学びから、”Brutiful”という造語を作ったGlennonが、私達の人生にもストーリーがあり、それをいかにして自分のものだと認め、ストーリーの辛い部分に来たときにいかに逃げずに、しっかり取り組めるのかについて教えてくれます。

私も早速登録して、ブレネーとグレノンのレッスンビデオを観ていますが、二人の語りに「うん、うん」と頷き、笑い、涙し、「うわ、ここ深い。。」といちいち反応しながら観てしまいます。まだ最初のレッスンビデオを観ただけですが、かなり良い手応えです。

「最初に言っておくけど、このコースを取ったからって、人生の辛いことが無くなるわけじゃないのよ」とブレネー。

「でも、辛くなった時に逃げ出さずに、『ああ、今ストーリーのあの部分なんだ』ってわかるようになれば、辛いことでも少しはこなせるようになると思うの」

コースは9月12日にオープンされましたが、しばらくは自由に登録して自分のペースで進められるのでおすすめです。

4回のレッスンで、料金は$60ですが、20%の割引コードもあります。

登録はこちらからどうぞ

不完全な子育てコース

The Gifts of Imperfect Parenting コースは、ブレネーの最初の著書、The Gifts of Imperfection(ネガティブな感情の魔法)のタイトルをもじった、すべての親に送るコースです。子供が4歳でも14歳でも44歳でも、親の悩みは尽きないもの。家族として、コミュニティとして、勇気ある子供を育て、ヴァルネラビリティは弱さではないと教え、「自分は完璧じゃないし怖いこともあるけれど、私は愛される価値がある人間だ」と自信を持って言える子供達が世界の大部分を占めるようになったら、いったいどんな変化が起きるでしょうか。

このコースのユニークなところは、4歳以上の子供と一緒にできるアートのアクティビティが組み込まれているところで、水彩を初めとした様々なアートプロジェクトが提案されるようです。

コースは10月11日から開始で、4回コースの$60です。私も登録する予定です。

登録はこちらからどうぞ

勇敢なリーダーシップ

こちらも10月から始まるコースですが、ブレネーのこれまでのコースとは別の新しいサイトBrave Leaders上で提供されます。Daring Leadershipというコースで、学校や仕事でリーダーシップを取る人向けに、いかに信頼やレジリエンスを培っていくか、勇気あるチームを育てて行くにはどうすればいいかなどを学べるようです。こちらも私も登録する予定です。

まだサイト自体新しいので、10月15日に正式にサイトとローンチするようです。

ブレネーの本やコースに興味のある方は是非Facebookでやっている非公開グループにどうぞ。自己紹介をして下さいね。

Living Brave

IMG_7375 ブレネー・ブラウンのオンラインコース、Living Brave Semesterを今日終了しました。 1月からこの5ヶ月間、世界中の何千人もの人達と一緒に「心からの生き方」とはどんなものか、どうすれば心から生きることができるのか、学んできました。 毎週月曜日に新しいレッスンがオープンになり、それぞれのペースでワークブックを進めていき、週に一度はブレネーからの生のビデオメッセージや数週間に一度はライブQ&Aなどがあり、本当に楽しい5ヶ月間でした。コースはブレネーの二冊の本、Daring Greatly (本当の勇気は「弱さ」を認めること)とRising Strong (翻訳本不明)からの内容をもとにしています。 今まで申し込んだどのコースよりも素晴らしいコースでした。 学んだことは多すぎて全てここには書けませんが、心に残ったことを少し書き出してみたいと思います。

1)コミュニティとキーワード

毎週新しいレッスンが開かれ、ブレネーによるビデオ講習、そしてライブQ&A、また他の生徒さんと交流できる掲示板などがあったため、コミュニティの一員であると深く実感することができました。また、私にとってもう一つのコミュニティは日本人同士で作っているFacebookのグループで、ここでもお互いの悩みなどをジャッジメントなしで受け入れられる場所としてありがたかったです。特にうれしかったのが、「アリーナ」という、ブレネーの本に出てくるキーワードが自然にみんなのなかで使われるようになったこと。これは、セオドア・ルーズベルトが「アリーナに立つ人」というスピーチで使った言葉ですが、ブレネーの本にも、何かに挑戦しようとしている人はみんな「アリーナに立つ人」であるという認識で、とあるメンバーの息子さんが受験をしたことも彼にとってのアリーナ。また、お仕事でイベントなどで沢山の人の前にでていく機会が増えた友人も、それは彼女のアリーナだね、とみんなで応援しあえたのが本当にうれしかったです。 CW_ArenaQuote (1)

2)価値観

さまざまなレッスンのなかで、心に残ったものの一つが、最初のほうにやったエクササイズで、自分にとって大切な価値観を見極めたあと、それをランタンの火にたとえるというものがありました。私にとって大切な価値は「優しさ」と「勇気」だったのですが、そういった大切な価値(ランタンの中の火)を守ってくれる物が、家族や友人、という例えはとても勉強になりました。人生の中で、自分にとって大切な価値が何かわかっていないと、ランタンを持っていないのと同じで、暗闇の中で迷ってしまいます。そして、ランタンを持っていたとしても、時々、持ち歩くことを忘れて、どこかに置いたまま価値からはなれてた行動を取ってしまうことも(私の場合、イラついて意地悪なことを言ったり、何かが怖くて前に進めなかったり)あるのです。だから自分のランタンの中の炎を大切にしよう、というレッスンで、これは視覚に訴えるためとても参考になりました。

3)人は常に最善を尽くしているということ

これは、ブレネーの最新作、Rising Strongに書かれてることで、こちらの投稿に少し書きましたが、これが、私にとってこのコースで一番の勉強になりました。本の日本語訳がまだでていないので読んでいない方に説明をするのが難しいのですが、ひとつ質問させて下さい。 「あなたは、一般的に言って、世の中の人達はできる限りの最善を尽くしていると思いますか?」 私は先日41になりましたが、Rising Strongを読むまで、この質問の答えはノーだと思っていました。みんなが最善を尽くしているわけない。サボったりズルしている人ばかりじゃないか、と。この本のこの章を読んだ時、涙が止まりませんでした。 ブレネーもそうだったと書いていますが、この質問にノーと答える人のほとんどが、完璧主義に陥っていると言います。そして、「心からの生き方」を出来ている人は、みんなこの質問に「イエス」と答えていたそうです。 ブレネーのご主人のスティーブさんにこの質問をしたとき、彼は長いこと考えたあとこういったそうです。「本当かどうかわからないけど、僕は世の中の人達はできるかぎりのことをしていると信じたいよ。そして、そう思う方が僕も幸せになれると思う。」これはブログに書くだけでは足りない、もっとディープな会話が必要なトピックだと思います。でもこのことを学べて良かった。

4)常に練習であるということ

これは宗教などにも通じてくるのかも知れませんが、これだけ5ヶ月がんばって様々なことを学んでも、所詮は人です。完璧ではないのだから、時には学んだことを忘れて価値と離れた行動を取ってしまうことがあります。このコースで嬉しかったのは、ブレネーが「時々道を外すのは当たり前」と言ってくれたこと。毎週のレッスンにも関わらず、間違いを犯してしまった場合、ブレネーは「間違いに気がつけたことを祝いなさい」と言ってくれました。気がついただけでも進歩だと。「心からの生き方」って、コースを取ったからといってすぐにそういう生き方が出来るわけじゃないんですよね。もうこれは一生かけて学んでいくということです。 コースが終わってしまって、まるで卒業式のような、少し寂しい気分になってしまいましたが、寂しくなる暇もなく、短めのコースが2つ発表されました。

Self-Compassion with Kristin Neff & Brené Brown

Selfcompassion_800x800_thumnail4 ひとつめは、Self-Compassion、自分に対していかに愛情をもって接するかを学ぶワークショップです。ブレネーは常に「愛する人や家族に話しかけるように、自分に話しかけなさい」と説いていますが、これのいかに難しいことか。(このことについてはnoteでこちらに書いています。)特に日本人は謙遜が美徳とされているので、つい自分を卑下してしまうことも多いと思います。自分に優しくなるセルフコンパッションの専門家、Kristin Neffさんとブレネーの共同コースです。 4つのコースで形成されていて、2016年5月16日開始。自分のペースで進めます。費用は40ドル。

The Gifts of Imperfect Parenting 

paper_straws-2500x1667-350dpi こちらは「心からの子育て」を学ぶコース。子供達が、自分の価値を充分理解して育ってくれるにはどうすればいいか、を学ぶコースです。完璧主義でなく、「私は不完全でもろくて、時には怖いこともあるけれど、それでも私は愛と信頼を得るだけの価値がある人間なんだ」と信じることができる子供を育てられるとしたら?子供の年齢は4歳でも14歳でも44歳でも関係ありません、子育てって一生もののコミットメントですから。 6つのコースで形成されていて2016年9月26日開始。費用は75ドル。 5月31日までに申し込めば、30%オフになるコードをもらったので、申し込む方はぜひご連絡下さいね。

信頼とは、ビー玉のようなもの

Photo credit: Steven Depolo

前回のブログではVulnerabilityとは単に「弱さ」のことなのか?について説明しました。これらは「ヴァルネラビリティに関する誤解」としてブレネー・ブラウンの著書 Daring Greatly(邦題「本当の勇気は「弱さ」を認めること」)そして彼女のブログなどでも詳しく説明されていることです。

今日はさらに、ヴァルネラビリティに関する別の誤解について書いてみたいと思います。

誤解:「ヴァルネラビリティとは全てを洗いざらいさらけ出すことだ」

英語にOvershareという単語があります。シェアしすぎること、プライベートな内容を他人に暴露することを指します。例えば、パーティで会ったばかりの人に、夫の結婚生活が上手くいっていないと漏らす人や、SNS上で自分のかかえる悩みや苦悩などを常に投稿し続ける人など。親しくないのに、個人的なことをいろいろ話されても、受け取る側としてはどう対応していいのかわからないことがありますよね。

ブレネーは、このようなOvershareやなんでもすべてさらけ出すことはヴァルネラビリティではない、と言っています。

なぜなら、ヴァルネラビリティは、信頼とBoundary(境界)なしには成り立たないからです。

ヴァルネラビリティとは、自分の信用を勝ち得た人にだけに自分の感情や経験を打ち明けることです。出会ったばかりの人に「私の一番暗い秘密、聞いて下さい」などと歩み寄るのは、「心を開いている」のではなく、ヴァルネラビリティを利用して単にかまってもらいたいだけであり、ワイドショーの見出しのようなものですよね。

この誤解について話すと、必ず出てくる質問があるとブレネーは言います。

「じゃあ、どうやれば誰を信用すれば良いとわかるんですか」

「打ち明けても笑われないという確証がないと、心を開けません」

「どうやって信頼を築くのですか」

この質問の難しい点は、「ニワトリと卵」のように、どちらが先なのか見極めがつかないことです。これをやれば絶対に確実というテストやスコアもありません。しかし、私がブレネーの紹介してくれた逸話のなかでも最も好きな「ビー玉のびん」のお話が良い例になります。

ブレネーの娘のエレンが3年生の時、こんなことがありました。

エレンはある日、自分に起こった、ちょっと恥ずかしいけど、面白い出来事を、何人かの友達に内緒で話しました。しかし昼休みにはその話はクラス中に広まっていて、みんながエレンのことを笑っていたというのです。クラスの騒ぎようがひどく、女の子達はいつまでも笑っていたので、ついには先生が「ビー玉のびん」からビー玉をいくつか取り出すことになってしまいました。

このクラスには子供達がビー玉のびん、と呼んでいたガラスの容器が置いてあり、その横にはビー玉の入った袋がありました。学年が始まったときに、先生は、クラスのみんなが良いことをした時、態度が良かったときにビー玉をいくつかびんの中に入れると決め、騒いでいたり、仲良く出来なかった時には、ビー玉をびんから取り出すというルールを紹介しました。びんがビー玉でいっぱいになったら、クラスでパーティをするという約束になっていました。

エレンが、数人の仲の良い友達に打ち明けたはずの秘密が、クラス中に広まっていて、みんながエレンをからかっていたため、先生はビー玉をいくつか取り出さなくてはなりませんでした。

エレンは帰宅すると泣きながらこの話をブレネーにしました。ブレネーの最初のリアクションは「なんてひどい!もう誰にも秘密を打ち明けちゃダメよ」と言いたかった、と書いていますが(親ならきっとみんなそう思いますよね)、思い直して、どうやって信頼について話せるかを考えてみたそうです。

ブレネーは、友情は「ビー玉のびん」のようなものだとエレンに話しました。誰かが自分のことをかばってくれたり、優しくしてくれた時、それは自分の心の中のびんにビー玉を入れるようなものだと言います。逆に、誰かが意地悪なとき、仲間に入れてくれなかった時、秘密を他人に漏らしてしまったとき、ビー玉をびんから取り出すことになります。

エレンに意味がわかるかと尋ねると、「私にもビー玉のびんの友達いるよ!」とエレンは嬉しそうに言いました。原文ではMarble Jar Friendsと言っています。良い言葉ですよね。エレンにとってのMarble Jar friendsは、「秘密を他人に漏らさないで、自分にも秘密をうちあけてくれる」友達のことだと言います。

ブレネーとエレンは「Marble Jar friendsはどんな時にビー玉をゲットするのか」についても話します。人によって答えは違うと思うのですが、エレンの場合は「秘密を守る人」「秘密を打ち明けてくれる人」「誕生日を覚えていてくれる人」「おじいちゃんとおばあちゃんのことを知っている人」「楽しいことに誘ってくれる人」「悲しくしていたら理由を聞いてくれる人」「病気で学校を休んだらお母さんを通じて電話してくれる人」なのだそうです。ブレネーも、ほぼ同じだと言います。

信頼というものは、ビー玉ひとつひとつの積み重ねでできていくのですね。

先ほどの「ニワトリと卵」の問題は、人との関係を築いていく際に出てきます。エレンの先生は「あなたたちが良いクラスになるかどうかわからないから、びんは買わないわ」とは言いませんでした。クラスの最初の日にびんはすでにそこにあったのです。生徒達も「先生がほんとうにビー玉をいれてくれるかわからないから、仲良くなんてしたくない」とは言わなかったのですね。みんなで協力して、先生がビー玉を入れてくれるよう、良いクラスになるようにがんばったのです。

カップル心理学で有名なジョン・ゴットマンも似たようなことを言っています。グウィネス・パルトロウ出演の「スライディング・ドア」という映画にちなんで、彼はこれを「スライディング・ドア・モーメント」と呼んでいます。ある日、彼はやっと辿り着いた結末を読むことを楽しみにしていたミステリー小説を持って寝室に向かうとき、悲しそうな顔で髪をとく妻の姿が目に入りました。あなたならどうしますか?

「本の結末が知りたいし、妻の話を聞いていたら長くなるから、気がつかないフリをしよう」と思うか、それとも本を置いて「どうしてそんな悲しい顔をしているんだい?」と妻に声をかけるか。信頼とはこのような細かい決断の積み重ねで、どちらを取ることが多いかによって、人間関係の信頼が築かれたり、逆に崩壊したりするのですね。

ブレネーは、時には、ビー玉のびんを投げつけて全部ばらまいてやりたい、と思うほどの裏切りを経験することもあるだろうと指摘しています。浮気、不倫、嘘などが、信頼を失う原因と言えますが、ブレネーは、それよりもっと重大で危険なのが、ゴットマン氏が指摘するようなちいさな信頼の積み重ねが無い状態、つまり、関わることさえ拒否している状態だと言います。

パートナーに「最近あまり興味がないのね」などと言うと、「毎日仕事に行って、子供達を野球の練習に連れて行って、寝かしつけまでやってるのに、これ以上何が必要なんだよ?」などという答えが帰ってくる場合がそうです。仕事に関して言えば、良く出来ているのか、間違っているのか、フィードバックさえもらえない状況。子育てに関しては、その日どんなことをして誰と遊んだか、楽しかったことは何か、逆に怖かったこと、嫌だったことについて積極的に質問することによって、子供達が「お父さんとお母さんは自分には興味ないんだ」と思ってしまうことを防げるといいます。関わろうとしない状況が続いた結果、先に述べたような嘘や浮気などの裏切りにつながっていくケースが多いとのことです。

これまでの研究の結果、ブレネーがたどりついた答えは:

信頼とは、心を開くことで形成され、時間、手間、そして充分な関わりが必要なものである。信頼とは大がかりなものではなく、ビー玉をひとつずつ集めていくようなものである。

ということです。

ブレネー・ブラウンの教えに興味がある方はFacebookのグループも覗いてみて下さい。参加されたら自己紹介をお願いします。

ヴァルネラビリティとは「弱さ」?

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ブレネー・ブラウンの本、そして彼女の活動はすべてVulnerabiity(ヴァルネラビリティ)がテーマです。

ヴァルネラビリティは、これまで日本語ではコンピュータや情報セキュリティの世界で「脆弱性」といった意味で使われていました。

脆弱性とは、コンピュータやネットワークのセキュリティが第三者によるシステムへの侵入や乗っ取りといった不正行為が行われる危険のあるシステムの欠陥や問題点のことで、「攻撃されやすいこと」という意味です。

これを、私達人間の心という文脈で見ていくと、ヴァルネラビリティはどう訳されるでしょうか。直訳すると「脆さ、弱み」となると思います。それではヴァルネラビリティとは、弱さのこと?

ブレネーの二冊目の本、Daring Greatly (日本語版は「本当の勇気は「弱さ」を認めること」−サンマーク出版)では、ブレネーはヴァルネラビリティを以下のように定義づけています。

「不確実性、リスク、生身をさらすこと」

もう少し詳しく説明しましょう。(Daring Greatlyから意訳しています。)

たとえば、愛。自分を愛してくれるという確証もなく、その安全も保証できない誰かを愛すること。死ぬまで誠実でいてくれるのか、または明日突然自分を裏切るかもわからない人を愛することーそれはまさにヴァルネラビリティです。愛というのは不確かで、恐ろしく危険なものです。自分がいつ傷つくかも全くわかりません。でも、愛のない人生なんて考えられないですよね。

受け入れてもらえるか、感謝してもらえるかもわからないままに自分の創ったアート、書いたもの、撮った写真、アイデアを世間に公表することーこれもヴァルネラビリティです。

一瞬のことだとわかっていても喜びに浸ること、それこそヴァルネラビリティのひとつのかたちです。

こうして見ていくと、ヴァルネラビリティは本当に「弱さ」といえるでしょうか。

上の例を見ていくと、ヴァルネラビリティは「感じること」とも言えるかも知れません。哀しみや、心の傷、しいては大きな愛や喜びもヴァルネラビリティと言えると思いませんか。それでは、感情をしっかり感じることは、「弱さ」なのでしょうか?

ブレネーは、ヴァルネラビリティを弱さだと決めつけてしまうのは、私達が感情をしっかり感じることを、失敗である、そしてマイナス要因であると勘違いしているからだと言います。

ここで、ブレネーが「あなたにとってヴァルネラビリティとはなんですか?」と聞いた際の答えを紹介します。

—助けを求めること

—ノーということ

—自分のビジネスを立ち上げること

—夫や妻をセックスに誘う時

—ガンにおかされた妻と遺言状の準備をすること

—子供を亡くした友人に電話をすること

—離婚後初めてのデート

—仕事をクビになること

—恋に落ちること

—彼氏を初めて親に紹介する時

—怖がっていると認めること

—人のうわさ話をしている人を止めること

—許しを乞うとき

—新しいことを始める時

−3回の流産の後、また妊娠すること

—公共の場でエクササイズする時

ー自分の商品を世間にむけて発表して、何も反応がない時

ーCEOに来月の社員の給料が払えないと告げる時

ー息子がオーケストラに選ばれたがっているのに、恐らく落ちるだろうとわかっている時

ー信仰すること

ー責任をもつこと

上の例を読んでみて、これらが「弱さ」だと思いますか?辛い思いをしている人を慰めようとすることが弱さでしょうか?責任をもつことが弱いことだと思いますか?

答えはノーです。

ヴァルネラビリティには真実の響きがあり、勇気を感じさせます。

ヴァルネラビリティを経験しているとき、私達は先が一体どうなるかわからずに不安で、傷つく可能性があるということです。でもこのようなリスクを冒してでも自分達の心を開いて真の自分をさらすとき、唯一確実なのは、それは弱さではないということ。

この、ヴァルネラビリティ=「弱さ」ではないということが、ブレネーが説く「ヴァルネラビリティに関する誤解」の一つです。それでは次回は、二つめの誤解についてお話したいと思います。

本当の勇気は「弱さ」を認めること

エンパシーとシンパシーの違いとは

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ブレネー・ブラウンと学ぶLiving Brave Semester、3週目が終わりました。

ここで1週間のお休みがあるので、少しゆっくりめにビデオを観たり、課題に取りかかったりしています。この1週間で、遅れを取り戻そうとしている人も多いと思います。

日本からの参加者で集まっているFacebookのグループでも、なかなか意義のある深い話し合いができていて、とても嬉しく思っています。コースに参加していなくても、ブレネー・ブラウンの提唱する「心からの生き方」に共感する人なら誰でも参加できますので、お気軽に参加表明して下さい。参加されたらひとこと自己紹介をして頂けると嬉しいです。

3週目のテーマは「Empathy」、また誰にvulnerableな心の内を打ち明けるのが良いのか、そして自己に対する思いやりの重要さについても学びました。

何か悲しいこと、辛いことがあったときに勇気を出して打ち明けたときに、相手の反応が「ふーん、そんなのたいしたこと無いじゃん、私の方がもっと大変なんだから!」と言われたら、誰だって、もうvulnerableになって打ち明け話なんて二度とするものか、と思ってしまいますよね。または「えー、それ超かわいそう。なんか惨めじゃない?」なんて反応をされたらただでさえ辛い思いをしているのに、さらにshame(恥)のスパイラルに陥ってしまいますよね。

3週目のレッスンでは、そういうことが起こらないように、どうやって打ち明ける相手を見極めるか、そして、自分が打ち明けられた立場の時にいかにエンパシーを持って接するかについて学びました。

エンパシーとは、共感する力。英語でエンパシー、シンパシーとよく言いますが、この二つの単語は同じ意味なのか?というテーマでブレネーが説明してくれたのですが、こちらの可愛らしいアニメーションのビデオがブレネー自身の声で、とてもよくわかる説明になっているのでご紹介します。

The Power of Empathy from Gobblynne on Vimeo.

このビデオによると、エンパシー(共感)とは、実際に、打ち明けている人がいる暗い場所まで降りていって、「それは辛いね。私もそれがどういう気持ちなのかよくわかるよ」と言うこと。シンパシー(同情)は、その人と同じレベルに降りていかず、上から目線で「えー、可哀相」と、あくまで自分には関係ないというスタンスを取っていることを指します。

このビデオのクマのように、自分がいる暗い場所まで降りてきてくれる人こそ、自分の辛い感情を打ち明けるのに適した人であると思いますし、自分も、愛する家族や友人にはこのように接しなければいけないな、ととても良いリマインダになりました。

ブレネー・ブラウンのコース内容をちょっとだけ紹介

 

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ブレネー・ブラウンのオンラインコース、Living Brave Semesterが1月11日からはじまりました。

有料コースですので、内容を全てここに書くことはできませんが、今日が登録可能最終日なので(北米時間EST1月15日0時まで)、迷っている人がいたら参考にしてください。

ブレネー・ブラウンのオンラインコースのサイト、Courageworksには3つのコースがありますが、私が登録したLiving Brave Semesterは基本的に個人向けのコースで、勇気を出して挑戦する人生を歩みたい人のためのコースです。

週に1回、1ページ程度のレッスンが公開され、数本のビデオ(全てブレネー自身が出演、説明しています)を観て学びます。

ブレネー・ブラウンという人の人気の秘密は、研究に基づいた人の弱さの大切さ、勇気を出すことの大切さを真摯に説いているからというのももちろんありますが、この人は話も上手く、ユーモアのセンスも抜群だと思います。普通の友達としてつきあうにもとても魅力的な面白い人だと思うのですが、レッスン内での動画でも、思わず笑ってしまうようなエピソード、(TEDトークが超バイラルになった時の彼女のとっさの反応など)そして、思わずうるっと来てしまう場面もありました。まさに、リアル。台本を読んでいるだけでなく、カメラの向こうの私たちに、真剣に語りかけてくれるのにとても好感が持てました。

レッスン1は、Daring Greatly (邦題:「本当の勇気は「弱さ」を認めること」)に載っているセオドア・ルーズベルトのスピーチを再度紹介して、ここで言うところの「アリーナ」とは自分にとって一体何であるかについて考えました。

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また、Value(価値観)についても学び、自分にとって最も大切な価値観が何であるかを選んだあと、自分の価値観を元にした人生を歩むにあたり、ランタンをメタファーにしたエクササイズをしました。ランタンというのは暗闇に明かりを灯して行き先見るためのものですよね。ランタンの中の炎が価値観、そしてその炎を保護するもの(ランタンでは外側のガラスの部分だったりしますね)が自分の価値観を保護してくれる人や、行動になります。これは私は個人的にとても勉強になったし、目から鱗のメタファーでした。

冒頭にも書きましたが今日が登録最終日で、このコースは年に一度しか提供されないようです。割引コードなどもあるので気になっている方、詳細を知りたい方は連絡下さい。Facebookのグループもあります。

60カ国から参加!ブレネー・ブラウンのコース開始(割引コードあり)

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先日の記事でお伝えしたブレネー・ブラウンのCourageWorksのオンラインコースの一つ、Living Brave Semesterが明日(北米時間1月11日)に一斉にローンチします。

Facebookを見ていたら、偶然ブレネーがFacebook LiveでLiving Brave Semesterに関する質問に答えていたので早速視聴しました。Facebook LiveはFacebook上でしか機能しないようで(当たり前か)、YouTubeのビデオのようにここに貼り付けることができませんが、先日お知らせしたFacebook のグループにてご覧いただけます。

このコースは各自のコースで進めることができて、最初はDaring Greatlyを読み進んでいくそうですが、まだこの本を読んでいなくてもコースをやりながら読んでいくことが可能だそう。

それにしてもさすが大人気のブレネー。ライブビデオの視聴者は4000人以上。このコースには世界60カ国から登録しているらしく、生徒数は1万5千人にも(!)及ぶそうです。

「部屋がすごく汚いのよ。ビデオの撮り方も下手だし。でも自分を正直にだそうと思って」というブレネー。彼女のオフィスが見れるのは超レアな機会ではないでしょうか。

どうしても明日までに参加登録できない方には1月15日まで登録の時間がありますが、その後は登録を締め切ってしまうそうです。各自のペースで進めますが、やはりできるだけみんなで進んでいきたいようで、あまりにも遅れる人を出さないようにという配慮だそうです。

オンラインコースでついていけなかったらどうしよう、という方の質問には、ブレネーはこのコースは1週間に1時間20分程度の時間的コミットメントだ、と言っていました。思ったよりハードルが低くてちょっと安心しました。

そして最後に、まだ登録していない方はCourageworks. comでFBTRIBEというコードを使えば20%オフになるそうです。

ブレネーの最新作Rising Strongで紹介されていたアサロ族の言葉が再度このビデオでも繰り返されていました。

“Knowledge is only a rumor until it lives in the muscle”

いくら知識を詰め込んでも、それが自分の身にならなければ噂話と同じであるということ。自己啓発書を読みあさっても、それが最終的に学びとして身について、自分や他人に対して実践できないと意味がありませんよね。このコースでは、みんなで本を読み進めながら、いかに彼女の教えを自分の人生で実践していくのか、具体的なことが学べそうでとても楽しみです。

またビデオの最後の方で、このCourageWorks のコースは将来的には大学または大学院での単位に使えるようにしたいとのことで、これは個人的にものすごく興味があります。

このコースに興味があるかたはこちらからサインアップできます。

日本人でこのコースを取っている人、ブレネーの本が好きな人達のグループはこちらです。

興味がある方はぜひご参加を。

 

ブレネー・ブラウンのオンラインコース(無料コースも!)

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このブログでも何度もご紹介しているブレネー・ブラウンですが(彼女の最新書Rising Strongのレビューはこちらです。)、COURAGEWorksというオンラインコースを提供することになった、という発表があったのはこの秋ごろでした。

今までにも、ブレネーはUdemyというe-ラーニングのサイトや、オプラ・ウィンフリーのOprah.comでもこれまでにコースを提供してきています。以前彼女のサイトで提供していたコースははメンタルヘルスに関わる職業の人(カウンセラーやセラピストなど)向けだったりしたのですが、今回初めて、彼女自身のサイトCOURAGEWorksで2016年1月から一般に向けてのオンラインコースを提供することになります。

COURAGEWorksってなに?という人へ。サイトにはこのように書かれています。

COURAGEworks is an online learning community developed to bring Brené Brown’s research on courage, vulnerability, shame, and worthiness to a global audience. Offerings include eCourses, workshops, and interviews developed for anyone who is ready for braver living, loving, and leading.

COURAGEWorksはブレネー・ブラウンの勇気、心の脆さ、恥そして価値に関する研究を世界中の人々に提供するオンライン学習コミュニティです。さらに勇気のある生き方、愛し方、そしてリーダーになる準備のできている人のために作られたeコース、ワークショップ、そしてインタビューを提供しています。

CourageWorksで1月から開始されるコースは以下の3つです。(クリックすると詳しい説明ページに飛びます。)

LIVING BRAVE SEMESTER
ブレネーによるコースとライブ質問セッション
自分の存在を示し、自分なりの人生を生きるとはどういうことかー勇気を出すこと、脆さを受け入れること、そして果敢に挑戦を続ける人生についてくる課題にどうやって対応していくかを探るオンライン学習
必読書:Daring Greatly(邦訳:「本当の勇気は、『弱さ』を認めること)とRising Strong
対象者:個人、友人同士、カップル、兄弟姉妹、少人数のグループ、コミュニティ、ブッククラブなど
開始日: 2016年1月11日(年一回のみ)

DARING LEADERSHIP
ブレネーによるコース
果敢に挑戦するリーダーシップとは快適さよりも勇気を、早くて簡単なことよりも正しいことを選ぶことであり、信じる価値をただ述べるだけでなく実際に行動で示すことを意味します。勇敢なリーダーは仕事上でも個人レベルで接することが重要だと知っています。
必読書:Daring Greatly(邦訳:「本当の勇気は、『弱さ』を認めること)
対象者:チーム、リーダー、起業家、組織のチェンジメーカー、カルチャー変革者
開始日:2016年1月11日 (オンデマンド)
LEADERS RISING
ブレネーによるコース
勇敢に挑戦する機会が増えるほど、失敗することも増えるものです。失敗、失望、また間違いを犯してしまったあとに力強く立ち上がるプロセスこそが私たちの勇気が試される時であり、個人の、そして組織としての価値観が築かれる時です。強く立ち上がるリーダーはストーリーの中に歩み行って、真実と向き合います。
必読書:Rising Strong
対象者:チーム、リーダー、起業家、組織のチェンジメーカー、カルチャー変革者
開始日:2016年1月11日 (オンデマンド)

私は最初のLiving Brave Semesterに登録しました。日本の方ですとまだRising Strongの翻訳が出ていないので(いつでるんだろう?まだなら翻訳したい。。。)原書で読んでいる人のみになってしまうのでなかなか参加が難しいかも知れませんが、原書をとりあえず買って読み進めながら参加したい、という方がいたらお勧めです。

先日、このブログにコメントをいただいた中澤さんから、日本語で語りあえる場所があったら、、、というメールをいただいて、コース内容について語り合えるコミュニティをFacebook上に作ることにしました。もっとも、上記の理由でコースに参加できない人もいるかも知れませんので、とりあえずは、ブレネー・ブラウンの本が好き・Wholehearted Livingを実践したい・Daring GreatlyやRising Strongについて語りたい、という方は一言コメントまたはメール下さい。招待状を送ります。

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そして、先日ブレネーのサイトからメールで、「The Anatomy of Trust/信頼の構造」というコースを特別に無料で提供するというお知らせが来ました。COURAGEWorksに関して「どのようにコースが勧められるのか」など、多くの質問が寄せられたため、特別にこのコースだけ無料で開放しているそうですので、興味のある方は是非登録してみて下さい。信頼、って人との意義ある関係を築くにあたって必要不可欠なものですが、なかなか定義するのが難しい概念ですよね。そんな信頼について学ぼうというコースです。私も早速登録して、最初のビデオを見てみました。早速、ビデオの中でも、「もっとも大事なことは、コースについて友人やパートナーと語り合うこと」とブレネーも言っているではありませんか!というわけで、Facebookのグループでは、とりあえずこのコースについて語ってみたいなと思っていますので是非参加為て下さいね。(このサイトからコースを選んで、そのままチェックアウトに進めば$0になります。)

いつも通りコメント、メール歓迎です。

Rising Strong(3): 助けることと、助けを求めること

IMG_4356ブレネー・ブラウンの最新書、Rising Strongの紹介を3回にわたって書いています。パート1 パート2


本書の後半は、様々なケーススタディとして、プライベートでまたは仕事で傷ついたり、失敗したりした人達がいかにして力強く立ち上がっていったかを紹介しています。アルコール中毒なのに助けをもとめようとせず、両親とも話そうとしない姉をもった女性の話や、仕事の大きなプロジェクトで自分の意見を言わなかったがためにチームに大きな負担をかけた男性の話など、まさにFace downで突っ伏した状態から、いかに勇敢に立ち上がっていったか、本人談とともに紹介されています。

失望と期待、哀しみ、許しなどがキーワードとなり、このような様々な感情からいかに回復するかが詳しく説明されています。

第8章では、とくに助けを請うこと、特権(Privelege)、一方的な判断を下すこと(Judgment)などについて書かれています。これは、特に私にも個人的にぐっと来た内容でした。著者はホームレスの人達と目をあわせることなく、自分は充分な手助けをしていないと感じ、恥(Shame)を感じます。

私にも全く同じ経験があります。
ビクトリアは気候が温暖なため、ホームレスの人達も多いようです。ダウンタウンを歩いていると、道ばたで小銭を集めている人達を沢山みかけます。ダウンタウンでなくても、車を運転していると信号待ちのたびに手作りのサインをもった人達が小銭をくれと言ってきます。

著者と同じように、私もできるだけの手助けはしているつもりでした。小銭があれば渡し、グラノーラバーやガムなどをいつも持ち歩いて、小銭と一緒に渡すこともあります。ホームレスのシェルターでボランティアしたこともあります。
それでも。

小銭をあげた時は、もっとお金をあげられない自分に対して。
お金をあげる、という行為に関して。自分の特権に関して。
そしてお金を渡せないときはそのときで、ホームレスの人達にかまってあげられない自分が冷たい人間のような気がして。

私も必ず、毎回恥を感じていました。助けてあげても助けなくても、毎回恥を感じていたのです。

この章では、著者自身の 半年以上にわたる特権(Privilege)と助けを求めることに関してのRumbleが詳しく描かれています。
著者がたどり着いた結論は、自分が助けを求めることが弱いことであったり、またそのことに関してネガティブなイメージを持っているからこそ、恥を感じていたのだというもので、これも私自身、はっとしたことでした。

人を助けることは簡単です。でも、助けを求めることはとても難しい。なぜなら、助けを求めることは弱さを認めること、また喜ばしくないものだと、一方的に決めつけているからではないでしょうか。

困っている人を助けるのが苦にならない人は、沢山いるでしょう。困っている人達に対して、「面倒なやつだ」「弱い人間だ」と思う人はあまりいないのではと思います。それではなぜ自分が助けを求めることがそんなに大変なのでしょうか?

助けることに価値を見いだしている人は、助けを求めている人をジャッジしてしまっていることになる、という著者の研究結果には納得すると同時に反省もさせられました。
また、著者の研究グループでも、「どのような人を信頼するか」という問いに関して、最も多かった答えが「助けを求めて来る人」という結果がでたそうです。

最近みた著者のビデオの中でも、「人に助けを求めない人を信用できない。それは自分を愛していない人が私にI love youと言ってくるのと同じだから」という言葉があり、これも本当にそうだな〜と深く頷いてしまいました。

3) Revolution

Rising Strongプロセスの最後はレボリューション、革命です。

これまで学んだRising Strongプロセスを、プロセスのままで終わらせず、学んだことを実行(Practice)してこそ、力強く立ち上がることができるのだと最後は締めています。

最後にはManifest for Brave and Brokenheartedというマニフェストも載っています。

これまで読んできたプロセスも、ただ読んで納得するのではなく、日々の生活に実際に使っていくこと。

そして初めて、心からの生き方を実践できるのではないでしょうか。

どこから翻訳書がでるのか気になりますが(まだ決まっていないなら私翻訳したい。。。)是非手に取ってみて下さい。

★★★★★

自分を少しでも変えたい、という方にオススメの本です。

本書に関して話したい〜という方のコメント、メール歓迎です。

Rising Strong (2):勝手に造り上げているストーリーを発見する

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前回はブレネー・ブラウンの最新作Rising Strong(邦題:立て直す力)にて、勇気を出して挑戦した時に、それでも前のめりに倒れてしまった場合にどうやって立ち上がるか、そのプロセスの第一歩をご紹介しました。

まずはReckoning、位置確認をして自分がどんな感情を体験しているのかを自覚します。怒っているのか、恥を感じているのかなど、自分の感情に好奇心をもって正面から向き合います。

Rising Strongプロセスの第2歩はRumbleです。

2)Rumble

Rumbleとは日本語に訳すと「ぶるぶる震える」とか「轟音を立てる」といった意味ですが、ここでは前のプロセスのReckoningで発見したものをさらに揺さぶってその真実を発見するといった意味です。

著者はまずSFD(Shitty First Draft)という、編集の入らない思いっきり正直な心の内を書き出すことを勧めています。他人に読まれるものではないので、文法なども気にせずにとにかく正直に、自分の中で何が起こっているのか書き出します。

ここでおそらく本書のなかで最も重要なポイントが出てきます。人間というものは元来物語が必要な種であることを説明した著者は、私たちはたびたび自分の頭の中で勝手にストーリーを創り出してしまうのだと言います。限られたデータと想像されたデータをブレンドして筋が通り感情的に満足できるストーリーをなんと呼ぶでしょうか?陰謀説です。

先に書いた「トラビス湖での話」でも、著者は夫に無視されたと感じたあと、泳ぎながら自分の頭の中で勝手なストーリーを創り出してしまいます。「私のこと水着が似合わないって思ってるんだわ」「なんて冷たい夫なの」など。

このSFDを書くときに、「The story I’m making up is..(私が創り出しているストーリーは。。。)」という問いかけは、非常に便利です。本書に出されている例をひとつ挙げると、著者はアメリカの退役軍人をささえるチャリティ団体 Team Red, White and Blue(Team RWB)を勇気ある挑戦と心からの生き方をするべくサポートしてきたそうなのですが、この団体の役員の一人は、「私が創り出しているストーリーは」を知って非常に役立っていると言います。

まだ比較的新しい非営利団体の最初のスタッフとして、この役員の男性は常にできるだけ倹約するようにしていました。ある程度団体が大きくなり、財政が安定してきた今でも、古い癖が抜けず、会社のクレジットカードで自分の食事代を払ったりはせずにいたそうです。ある日、ワシントンDCに出張に行った際、チームメンバーの一人が話をしたいと言ってきました。何かあったのかと問いかけると、彼は「出張の時は会社のクレジットカードで食事代を払ってもらえませんか」と言ってきました。何故かと問いかけると、「だって、私が創り出しているストーリーは、私が自分の食事代を会社のカードで払うたびに、あなたは私のことを非難しているからです。」この男性はもちろんそんなことは夢にも思っていなかったのでとてもびっくりしたそうですが、このツールを使うと、お互いに勝手なストーリーを造り上げることを防ぎ、正直な会話ができると思うのです。こういうことって、普段の生活でも誰にでもあることだと思います。

Reckoning、RumbleというRising Strongプロセスを紹介したあとは、ケーススタディとも言える逸話が数章にわたって紹介されています。

「ストーリーテラー研究者」と自称するだけあって、著者の逸話はいつも面白いのですが、面白いなかにも正直で、時には胸が痛くなるようなエピソードが綴られています。
特に、第6章で紹介されているエピソードでは、講演先での失敗とそこで出会った人との経験(ネタバレはしませんが、楽しい話ではないです)を通して、とても大切な質問を投げかけています。
「一般的に言って、世間の人達は彼らなりのベストを尽くしていると思いますか?」

本書を読んでもらえればわかると思いますが、この質問にどう答えるかによって、「心からの生き方」にどのくらい近いのか、参考になると思います。
この章は私も読みながら思わず涙してしまったくらい、心に響くものがありました。私にも思い当たる節があったからです。

パート3に続きます