太平洋の橋 - Day 44

今日はビクトリアの姉妹都市である盛岡からのお客様のために通訳を。ビクトリア市と盛岡市とお仕事をするのはとても好き。みんな優しくてとてもフレンドリーだ。事情をよく知らない人は、姉妹都市関係なんて税金の無駄使いだという人もいるけれど、過去5年程、両都市の姉妹都市関係に関わってきてみて思うのは、こういう関係はうわべだけでなく重要なものだということ。違う文化の人達と、実際に会ってみて話をすることの大切さを実感させられる。

ご存じない方のために説明すると、ビクトリアと盛岡の姉妹都市関係は、盛岡出身の新渡戸稲造がビクトリアで客死したことによる。「我太平洋の橋とならん」と言った新渡戸博士の言葉は、彼の死後65年たった今でも、姉妹都市の会では必ず口にされる。

今回の盛岡市の訪問の理由は、最新のカナダへの輸出品、盛岡リンゴの PRのためである。品種はフジらしいのだが、盛岡リンゴはビクトリアのそのへんのスーパーでみかけるフジリンゴとは違い、大きくて濃い赤色だ。昼食会ではこのリンゴを作っているという農家の方とお話ができて、とても興味深かった。農家の方というのは、国を問わず、知識豊富な方が多い。今日伺った話では、フジリンゴというのは世界でもっとも普及している品種らしいのだが、盛岡にその原木があるのだそうだ。すごい。

参加者にはひとつづつリンゴをお土産にいただいた。先ほどオットとデザートにいただいたのだがこれが噂通り美味しい。フルーツナイフで切るのが難しいくらい大きく、二人で半分づつ食べてお腹いっぱいになった。味自体は親しみのあるフジだが、丁寧に育てられた特別なリンゴというのがよく分かる。そして実にびっくりするくらい果汁が含まれていて、一口噛むたびにじゅわっとリンゴジュースが口の中に広がる。これは本当に美味しかった。

ビクトリアではふじやさんで購入できるそうなので、気になるかたはぜひ。

この5年で沢山の盛岡からのお客様にお会いする機会があったが、みなさん素敵な方ばかりだ。九州出身の私はまだ盛岡に行ったことがないので、ぜひ一度近いうちに行きたいと思っている。