今日ご紹介する本はEverybody Writes (邦訳版タイトルは「コンテンツ・マーケティング64の法則」)です。邦題を見ると、コンテンツ・マーケティングの本か、と思う人が多いかと思いますが、原題はEverybody Writes。小説家やジャーナリストでなくても、ブログ、ソーシャルメディアの投稿、企画書など、今はみんながものを書く時代ですよね。これは読み手に意図がしっかり伝わるものの書き方を伝授してくれる本です。
著者のアン・ハンドリーはMarketingProfsというコンテンツマーケティングの会社のCCO(コンテンツ最高責任者)で、私もソーシャルメディア上でのお友達ですが、とっても良い人です。ソーシャルメディア上の影響力リストでは常にトップに名前が載る人ですが、偉ぶったところがなく、コンテンツマーケティングでは右にでるものがいない、いわゆる業界のリーダー的存在です。
この本は英語版ではものを書く際のヒントが74項目入っているのですが、なぜか日本語版では64になっています。私の勝手な推測ですが、いくつかの章は英語でしか通用しないルールだったりしたからかな?
私の手元には英語版しかなく、ちょっと日本語版を見てみましたが、章ががかなりちがって分けられており、どの章といっても日本語版を読む方には全く意味ないものになってしまうので、「法則」だけに注目して書くと、「ライティングはアートではなく習慣である」「最も重要なことを最初に書く」「読者の身になって書く」など、初心者むけアドバイスから「どのような単語を避けるべきか」「文法の基礎」「意味を間違って使っている可能性がある単語」「説教くさくなるな」まで、必要に応じて拾い読みできるようになっています。
ハンドリーは前作の「Content Rules /お客が集まるオンライン・コンテンツの作り方(C.C. Chapmanとの共著)」にて良いコンテンツを作る際、ストーリーテリングがいかに大切かを説いていますので、このへんがおさらいで含められているのも便利。またオンラインで物を書く際の基本(出典をきちんと表示する、著作権の問題)からブログなどのマーケティング素材はどのくらいの長さが適当か、Twitter、Facebook、Linkedin、Eメール、サイトのランディングページなどそれぞれのメディアへの書き方とヒントが詳しく書かれています。最後の方では、物を書く際に使える様々なツールのリストが載っており、これだけでもかなり便利です。巻末に索引があるので「あれなんだったけ?」という時に後で調べることもできるようになっています。
英語で物を書く機会がある方は是非英語版を読まれることをオススメします。